外貨建て個人年金保険の落とし穴:マニュライフ生命と為替リスクの真実

生命保険

外貨建て保険は利回りの高さや将来の年金受け取りに魅力を感じる人も多い商品ですが、実はその仕組みやリスクを正しく理解しないと「想定より受取額が少なかった」という事態になることもあります。特に「確実に○○円受け取れる」といった説明には注意が必要です。

外貨建て保険とは?仕組みを再確認

外貨建て個人年金保険とは、保険料を外貨(今回は豪ドル)で積み立てていき、将来、年金や一時金として受け取るタイプの保険です。外貨で運用されるため、為替相場の影響を強く受けるという特徴があります。

たとえば、1豪ドル=90円のときに積み立てて、受け取り時に1豪ドル=80円になっていれば、円換算では目減りしてしまいます。逆に為替が有利に動けば増える可能性もあるのがこの商品の特徴です。

「確実に120万円受け取れる」は本当か?

「10年間、月1万円ずつ支払えば確実に120万円受け取れる」というセールストークは、誤解を招く表現です。これは「10年で120万円分の豪ドルを積み立てる」といった意味で、円での受取額は為替レート次第です。

仮に10年間で10,000豪ドルを積み立てたとしても、1豪ドル=90円なら約90万円、1豪ドル=120円なら120万円となります。つまり、受け取り時の為替によって、大きく変動するのです。

積立残高が少ない理由とは?

現在積立額が想定より10万円ほど少ないと感じている場合、以下のような原因が考えられます。

  • 為替レートが円安方向である(支払い時より受け取り時のレートが円高)
  • 契約時の手数料・為替手数料が差し引かれている
  • 積立利率が最低保証を下回っている(積立利率変動型のため)

たとえば、1豪ドル=85円で加入し、現在1豪ドル=75円に下がっていれば、同じ豪ドル建て資産であっても円換算の評価額は下がります。

為替リスクとその対処法

為替リスクを完全に排除することはできませんが、以下のような対策が考えられます。

  • 満期時の為替水準を予測しすぎない(あくまで外貨での積立として把握)
  • 受取時期を分散して円高局面を避ける
  • 円建てでのリスクが少ない保険商品を併用する

また、契約者向けのマイページで最新の積立状況やシミュレーションを確認できる場合があるので、定期的にチェックすることも重要です。

営業トークと事実の違いに注意

保険外交員の中には「確実に〇〇円受け取れる」といった、あたかも保証があるかのように説明するケースがありますが、これは適切な販売方法ではありません。外貨建て商品の場合、為替リスクがあることをしっかり説明する義務があります

説明に疑問があった場合は、契約時の控えやパンフレット、設計書を見直すか、保険会社のカスタマーサポートに相談してみましょう。

まとめ:期待値と現実を正しく理解する

外貨建て個人年金保険は、運用次第で利回りを得られる魅力がある一方で、為替によるリスクも伴う商品です。特に「円での受取額」は為替レートによって変動するため、契約時の説明と実際の受取額に差が出ることもあります。

今後は積立状況を定期的に確認し、受取時の為替相場を見ながら、必要に応じて受取タイミングを調整するなど柔軟な対応が求められます。外貨建て保険を選ぶ際は、メリットとリスクの両面を理解したうえで判断しましょう。

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