高齢者夫婦のうち、夫が後期高齢者医療制度に移行すると、それまで家族一括で支払っていた保険料の取り扱いが変わることがあります。この記事では、配偶者が引き続き国民健康保険に加入する場合、保険料の引き落とし口座がどうなるか、具体的な手続きや注意点について解説します。
後期高齢者医療制度と国民健康保険の切り替え
日本では75歳になると、原則として後期高齢者医療制度に自動的に移行します。これにより、それまで国民健康保険に加入していた方も制度が変更され、個別の医療保険制度に加入することになります。
配偶者が75歳未満であれば、引き続き国民健康保険に加入し続けますが、世帯主が後期高齢者になると、保険の契約構造が変わるため、保険料の引き落とし口座にも影響が出ます。
口座引き落としの基本ルール
国民健康保険料は、保険料の「納付義務者＝世帯主」の口座から引き落とされるのが原則です。つまり、夫が後期高齢者制度に移行した場合でも、妻の国民健康保険の納付義務者が夫のままであれば、これまで通り夫の口座から引き落とされる可能性があります。
ただし、市区町村によっては、新たな世帯構成として妻が世帯主になることで、妻の口座への変更手続きが必要となることもあります。
実際の引き落とし口座の確認と手続き
市区町村の国民健康保険担当窓口では、75歳を迎える前後に郵送される通知や案内に、引き落とし口座の変更に関する情報が記載されていることが多いです。内容を確認し、必要に応じて口座変更届を提出します。
手続きの際に必要となる書類の例は以下の通りです。
- 新たに使用する銀行口座の通帳と印鑑
- 本人確認書類（マイナンバーカードや運転免許証など）
- 届出書（自治体のウェブサイトからダウンロード可能）
共通の注意点と実例
夫婦のどちらの口座から保険料が引き落とされるかは、世帯主や納付義務者の扱いによって変わります。特に注意すべき点は以下の通りです。
- 夫が後期高齢者医療制度へ移行した時点で、妻が国民健康保険に残る場合は新たな納付方法の確認が必要
- 何も手続きしないと、自動的に「納付書での支払い」に切り替わる自治体もある
- 引き落としが止まり延滞になることもあるため、事前確認が重要
実例として、ある市町村では夫が後期高齢者制度に移行した際に、妻の国保の口座情報が無効となり、納付書払いに自動的に切り替わったケースがありました。支払い忘れを防ぐためにも、自治体への確認は必須です。
まとめ：事前の確認と自治体への相談が安心のカギ
後期高齢者医療制度に移行した際は、世帯構成や納付義務者が変わることで、配偶者の保険料引き落とし口座も変更が必要になる可能性があります。そのままになる場合もありますが、自治体によって異なるため、事前に保険課または国保担当窓口に相談するのが最も確実です。
保険料の未納やトラブルを避けるためにも、通知書類や手続き案内を見落とさず、早めの準備を心がけましょう。
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