娘が結婚したら任意保険はどうする？車の名義と保険契約の見直しポイント

家族構成の変化は、任意保険の契約内容にも大きく影響します。特に、お子様が結婚して別世帯となった場合、それまでの「家族限定」などの契約条件が該当しなくなるケースがあります。今回は、車の名義が親のままで娘が使用を継続する場合に考慮すべき保険のポイントを解説します。

「家族限定特約」とは？別居・結婚でどう変わる？

多くの自動車保険には、「運転者家族限定特約」などが設定されています。これは同居の親族までが補償対象となるもので、別居の子ども（特に結婚後）は原則対象外となる場合が多いです。

つまり、娘さんが結婚して別世帯となると、今のままでは事故が起きた場合に補償対象外とされる可能性があります。保険会社によって定義が異なるため、必ず契約先へ確認を。

現在、保険契約が夫名義で、車は親名義という状況ですが、車を使用する本人（娘さん）に保険契約を移すのが理想的です。

その際、娘さんに等級を引き継がせたい場合は「等級の継承制度」を活用する方法があります。ただし、原則は同居親族間でしか等級継承はできないため、結婚後は難しくなります。

保険契約には「記名被保険者」と「車の使用実態」の整合性が求められます。記名被保険者＝主に運転する人が原則です。

そのため、車の名義が親でも、娘さんが主に使用するのであれば、娘さんを記名被保険者として新たに契約を組むべきです。

もし今の契約が20等級などの高等級であれば、保険料を抑えるためにもそれを活かしたいところです。ただし、娘さんに等級を移すには「同居親族」「扶養関係にある」などの条件が必要です。

結婚後はその条件を満たさなくなるため、早めに等級継承の手続きを検討しましょう。タイミングによっては間に合う可能性もあります。

ある家庭では、大学卒業後に就職した娘が両親名義の車を使い続け、結婚後もそのまま利用していました。しかし、事故が起きた際に補償対象外とされ、保険金が支払われませんでした。

このケースでは、家族限定特約と記名被保険者の不一致が原因でした。トラブルを避けるには、使用者と保険契約者の整合性が重要です。

娘さんの結婚はおめでたいことですが、保険契約の観点では変更が必要なタイミングでもあります。記名被保険者の見直し、等級継承の可否、車の名義など、総合的にチェックすることが重要です。

現在の契約内容を確認し、保険会社に相談のうえ、娘さん名義で新たに保険を組むことも検討しましょう。安全と安心を守るために、正しい保険契約を。