将来のためにどれくらい金融資産を準備すべきかは、多くの人にとって重要なテーマです。特に夫婦二人だけで賃貸暮らしをしている場合、子供がいないという状況では、老後の生活費の見通しをしっかり立てることが必要です。年金が月25万円程度と予想される中で、60歳の時点でいくらくらいの金融資産があれば安心できるのかを考えていきましょう。
老後資金の必要額を算出するための基本的な考え方
老後の生活費を計算するには、まず生活費の目安を知ることが大切です。月々の生活費は、住居費、食費、光熱費、医療費、交際費などの基本的な支出を含みます。夫婦で賃貸暮らしの場合、住居費の負担は大きな項目となりますが、持ち家の場合とは異なり、住宅ローンの返済や固定資産税などがないため、比較的軽い負担で済むことがあります。
年金収入が25万円の場合、生活費を全て年金で賄うことを考えた場合、月々の必要額を算出する必要があります。たとえば、生活費が月30万円だとすると、年金収入の25万円では不足する5万円分をどこから捻出するかがポイントです。
年金以外に必要な金融資産の目安
老後資金を貯めるために必要な金融資産は、主に以下の要素を考慮することで見積もることができます。
- 生活費の補填:年金が月25万円の場合、足りない部分は貯金や投資の資産を取り崩して補填する必要があります。仮に月5万円を補うとした場合、年間60万円が必要です。
- 医療費・介護費用:老後は健康状態に応じて医療費や介護費用が増える可能性があります。予測として、年間10万円〜20万円の費用を見込むのが一般的です。
- 旅行や趣味・娯楽費:老後の楽しみのために、毎年一定の金額を確保しておきたいという方も多いでしょう。この分の資金を確保することも重要です。
60歳時点での金融資産の具体例
60歳時点で金融資産をどれくらい持っていると安心できるのでしょうか。以下は、月々の不足額や予想される支出を基にしたシンプルな計算です。
- 月々の生活費が30万円の場合:年金収入が25万円だと、毎月5万円の補填が必要になります。仮に年金が支給されるまで30年、つまり60歳から90歳まで生きるとすると、年間60万円×30年で、1800万円の資産が必要になります。
- 医療費や介護費用を考慮した場合:さらに、医療費や介護費用として年間20万円を見込むと、30年間で600万円の追加資産が必要になります。
- 旅行や趣味の費用を見込んだ場合:年間50万円を老後の楽しみのために使うと仮定すると、30年間で1500万円の追加資産が必要になります。
資産形成のための方法
老後資金を貯めるための方法としては、積立貯金や投資信託などの金融商品を利用することが考えられます。また、節税効果を狙ったiDeCo(個人型確定拠出年金)や、株式投資、不動産投資など、リスクを取った運用方法もあります。
ただし、リスクを取る場合は、投資先の選定や分散投資を行い、リスクを抑える工夫が必要です。また、早期に始めることで、複利の効果を最大限に活用することができます。
まとめ:夫婦で賃貸暮らしの60歳時点の資産目安
60歳時点での必要な金融資産の目安は、生活費や医療費、趣味や娯楽費などの支出を総合的に考慮することが重要です。仮に月々の不足額や医療費、介護費用などを見積もると、夫婦で老後を安心して過ごすためには、2000万円〜3000万円程度の金融資産が目安となります。
早めに資産形成を始め、リスクを抑えた投資や貯金を行うことが、老後の安心につながります。生活費や医療費、趣味の費用などを見越して、早めに計画的に資産運用を始めましょう。
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