収入を増やしたい一方で、非課税限度額を超えてしまうと損になるのでは?と悩む家庭は少なくありません。特に、ひとり親世帯や子育て中の家庭では、各種支援制度の恩恵を受けるために「非課税」であることが重要な要素となることがあります。この記事では、千葉県在住で中学生以下のお子さんが4人いるひとり親世帯をモデルに、非課税となる年収の目安や、今後お子さんに収入がある場合の影響などについて詳しく解説します。
住民税が非課税となる基準とは?
住民税には「均等割」と「所得割」があり、これらが両方とも課税されないケースを「非課税」といいます。自治体によって若干の差はありますが、多くの市町村では前年の所得金額(課税所得)が一定額以下であることが条件です。
千葉県での住民税非課税限度額(令和6年度)を概算すると、ひとり親+扶養親族4人(すべて16歳未満)の場合、給与所得のみなら年収がおおよそ2,860,000円以下であれば非課税となる可能性があります。
ただし、所得控除(基礎控除、寡婦控除、扶養控除など)を適用した後の「所得」で判定されるため、扶養人数が多いほど実質的な年収の上限も高くなります。
ひとり親控除と寡婦控除の活用
ひとり親世帯には、「寡婦(夫)控除」や「ひとり親控除」といった特別な所得控除が設けられており、課税判定に大きく影響します。
- ひとり親控除:35万円の所得控除が受けられる
- 寡婦控除:条件により27万円~35万円の控除
これらの控除が適用されることで、課税所得がさらに減り、住民税非課税となる可能性が高まります。
収入を増やすと非課税が外れる?
パートや副業を増やすことで、非課税の限度を超えてしまうのではないかと心配される方も多いです。実際、年収が2,860,000円をわずかに超える程度であれば、非課税から「均等割のみ課税」になるケースや、「所得割も課税される」段階に移行します。
ただし、住民税が課税されても保育料や医療費助成が直ちに打ち切られるわけではなく、段階的に変わる制度も多いため、一概に“損”とはいえません。
子どもに収入があった場合の影響
中学生以下の子どもに収入があった場合、基本的に保護者の扶養控除や住民税非課税の判定には影響しません。高校生以上でアルバイトを始めた場合も、年間103万円以下であれば親の扶養から外れることはありません。
ただし、子どもの所得が多くなり、扶養控除の対象から外れると、住民税や所得税、児童手当などにも影響が出る場合があります。
制度変更に注意|最新情報は自治体に確認を
非課税限度額や所得控除の金額は年度によって変更されることがあります。特に住民税の算定基準は市区町村ごとに異なることがあるため、お住まいの自治体(市役所・区役所)へ直接確認することが確実です。
また、保育料や医療費助成、子ども医療証などの制度も自治体独自の運用がされているため、年収増による影響を正確に把握するには、各制度の最新情報を確認することが重要です。
まとめ|収入アップと制度利用のバランスを見極めよう
ひとり親で4人のお子さんを育てながら生活を支える中で、「収入を増やしたいけれど、非課税が外れると支援が減るのでは」と心配するのは当然のことです。しかし、制度によっては課税されても支援が受けられるケースもあります。まずは自分の世帯状況での年収限度を把握し、市役所などに相談することから始めてみましょう。
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