火災保険に加入する際に申告する「延床面積」が、実際の登記簿上の面積と異なる場合、保険金の支払いにどのような影響があるのか気になる方も多いでしょう。この記事では、火災保険と延床面積の関係、万が一の際の影響、注意点についてわかりやすく解説します。
火災保険における延床面積とは?
火災保険の保険料は、建物の構造や築年数、所在地とともに、「延床面積」によっても算出されます。延床面積とは、建物の各階の床面積を合計したものを指し、ベランダやロフトなどの扱い方で面積が変わることがあります。
多くの保険会社では、契約時に「自己申告」で延床面積を申請します。この際、登記簿謄本をもとに正確に申告することが推奨されます。
登記簿と実際の延床面積が異なるケース
登記簿に記載された延床面積と、実際に使用している面積が異なることは珍しくありません。例えば、後から増築したスペースを登記していないケースや、ロフトや吹き抜け空間を居住スペースとして使っている場合などです。
仮に、登記簿の面積よりも多い面積を自己申告して保険料を支払っていた場合、保険会社は「過剰保険」になる可能性があります。反対に、登記簿より狭く申告していた場合は「一部保険(保険金が削減される)」の対象となることがあります。
支払われる保険金への影響
火災などで損害が発生した場合、保険会社は被害を受けた実際の建物の構造や面積に基づいて損害額を算出します。申告した面積が登記簿と異なる場合、次のような問題が生じます。
- 申告した面積が実際より広い:保険料は高くなるが、支払われる保険金は損害額の範囲内なので、過払い状態になる可能性。
- 申告した面積が実際より狭い:損害額に対して保険金が満額支払われず、一部しか補償されない「比例填補(ひれいてんぽ)」の原則が適用される場合がある。
つまり、申告と実際の面積に差があると、過剰保険や保険金の削減といった問題が発生しうるのです。
よくある誤申告の例とそのリスク
例えば、登記簿上は100㎡の住宅に住んでいても、実際にはリフォームや増築で120㎡になっているケースがあります。この場合、120㎡で保険をかけていると登記簿と差が出るものの、保険会社によっては実態に即した保険金を支払ってくれるケースもあります。
一方で、逆に80㎡しか申告しておらず、火災で全焼してしまった場合、100㎡分の損害があっても保険金は80㎡分しか支払われない可能性があり、大きな経済的損失につながります。
火災保険契約時に注意すべきポイント
火災保険を契約する際には、以下の点を確認・準備しておくと安心です。
- 登記簿謄本を用意し、延床面積を正確に把握する
- リフォームや増築がある場合は、その面積を確認し、登記の有無をチェック
- 保険会社に事実を伝え、必要に応じて修正申告する
- 毎年の更新時に建物の変更点があれば保険内容を見直す
保険会社によっては、写真や図面を提出すれば登記簿との差異があっても対応してくれることがありますので、事前相談が重要です。
まとめ:申告ミスを防いで適正な補償を受けよう
火災保険で正しい補償を受けるには、延床面積の申告が非常に重要です。登記簿の面積をベースに、リフォーム・増築なども加味した上で、実際に近い面積を保険会社に伝えましょう。自己申告だからこそ、正確な情報が最終的な保険金に影響を及ぼす可能性があることを忘れずに。
不安がある場合は、保険会社や保険代理店に相談し、専門的なアドバイスを受けることをおすすめします。将来のトラブルを防ぐためにも、契約時・更新時のチェックは怠らないようにしましょう。
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