搭乗者傷害保険と人身傷害保険の違いとは?片方だけで十分かをわかりやすく解説

自動車保険

自動車保険の補償項目の中でも「搭乗者傷害保険」と「人身傷害保険」は、補償の対象が似ているように見えるため、どちらか一方だけで十分なのかと悩む人は多いです。この記事では、それぞれの保険の仕組みや違い、実際の補償例などを通して、どちらを選ぶべきかの判断材料を提供します。

搭乗者傷害保険とは?

搭乗者傷害保険は、事故によって車に乗っていた人が死傷した場合にあらかじめ定められた金額を支払う定額型の保険です。治療費などの実費とは無関係に、負傷や後遺障害、死亡といった結果に対して支払われます。

たとえば、事故で打撲や骨折をした場合、治療日数や部位に応じた金額が支払われます。支払いまでが早く、通院中でも補償されるのがメリットです。

人身傷害保険とは?

一方、人身傷害保険は、実際にかかった損害(治療費・休業損害・慰謝料など)を実費で補償する保険です。自分が加害者・被害者のどちらであっても、過失割合に関係なく支払われるのが大きな特徴です。

たとえば通院が長期化しても、その実費や交通費、場合によっては将来の逸失利益まで補償されることもあります。より手厚い補償を希望する方には向いています。

2つの保険の違いを一覧で比較

項目 搭乗者傷害 人身傷害
支払い方式 定額 実費
補償対象 車に乗っていた人 契約で指定した範囲(歩行中含む)
支払いスピード 早い やや時間がかかる
重複加入の可否 可能(人身傷害と重複OK) 他保険との調整あり

片方だけで十分か?

結論として、人身傷害保険の方が補償範囲が広く、実用的といえます。よほど理由がない限り、まずは人身傷害を優先するのが一般的です。

ただし、事故直後の急な出費に備えたい場合や、補償スピードを重視するなら、搭乗者傷害を併用する価値もあります。特に軽微なケガであっても、通院日数に応じてすぐにお金が受け取れるという利点があります。

実際の補償例で考える

例1:停車中に追突され、首を捻挫して1週間通院した場合
→人身傷害:治療費+通院交通費+慰謝料など合計8万円程度
→搭乗者傷害:日額×日数に応じて1〜3万円程度の定額支払い

例2:重度の後遺障害を負った場合
→人身傷害:逸失利益・介護費用含めて数千万円の補償も
→搭乗者傷害:障害等級に応じた定額払い(最大でも数百万円)

まとめ:補償のバランスを見て選ぶ

搭乗者傷害と人身傷害は、補償の考え方が大きく異なるため、どちらか一方で「十分」とは言い切れません。基本は人身傷害を軸に、必要に応じて搭乗者傷害を補完的に付加するのがベストです。

保険料とのバランスを考慮しつつ、実際に事故が起こったときに「足りなかった」とならないよう、賢く設計しましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました