カードローンを利用する際、借入金額によって適用される金利が大きく変わることがあります。実は、借入額を多くすることで金利が下がり、結果として利子総額が少なくなるケースもあります。本記事ではこの現象の背景や注意点、そして実際に得をする借り方について詳しく解説します。
カードローンの金利は借入額に比例しない
多くの銀行や消費者金融のカードローンでは、「借入金額が多くなるほど金利が低くなる」仕組みを採用しています。これは貸す側が高額融資をする顧客を“信用力の高い優良顧客”と見なすためです。
たとえば、PayPay銀行のローンでは500万円の借入で年率5.5%、1000万円の借入で年率1.59%というように、大きな金利差が生じます。
実例比較:500万円 vs 1000万円借入の利子総額
以下は、返済期間10年・元利均等返済と仮定した場合の試算結果です。
借入額 | 金利 | 月々の返済額 | 利子総額 |
---|---|---|---|
500万円 | 年5.5% | 約54,000円 | 約151万円 |
1000万円 | 年1.59% | 約90,800円 | 約82万円 |
この例では、借入額が倍であるにも関わらず、利子総額はむしろ1000万円の方が少ないという逆転現象が起きています。
本当に1000万円借りた方が得なのか?
このような試算を見ると「必要額が500万円でも1000万円を借りた方が得では?」と考えがちですが、注意すべき点がいくつかあります。
まず、余った資金をどう使うか。無駄遣いしてしまえば当然リスクが高まりますし、全額を貯金しても銀行金利との差で損をする可能性もあります。
また、借入審査に通ること自体が簡単ではなく、高額融資にはそれ相応の信用情報や収入、勤続年数などの条件が求められます。
金利差を活用した借入戦略とは
もし審査に通り、計画的な返済が可能であれば、「高額借入・低金利→余剰資金は即時繰り上げ返済」という方法が有効です。
たとえば1000万円借りて実際に必要なのは500万円だった場合、残りの500万円はすぐに一部返済に充てれば、利子の負担を抑えつつ低金利を享受できます。
繰り上げ返済の手数料がかからないカードローンであれば、非常に効果的な戦略となります。
繰り上げ返済の活用と注意点
カードローンの中には、一部繰上げ返済を何度でも手数料なしでできるものがあります。これを利用することで、元金を減らし、支払総額をさらに引き下げられます。
ただし、金融機関によっては一部返済に事前連絡が必要なケースや、インターネットからの操作に制限がある場合もあるため、事前に契約内容を確認することが大切です。
まとめ
カードローンの金利は借入額によって大きく変動し、場合によっては必要以上の金額を借りた方が利子総額が安くなるという逆転現象が起こることもあります。
しかしながら、高額借入には審査や返済計画のハードルがあるため、「低金利のメリットを活かし、不要な資金はすぐに繰り上げ返済する」という戦略が現実的な選択肢となります。
借入は慎重に行い、目的と返済能力をしっかり見極めたうえで判断しましょう。
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