年金定期便を受け取ると、自分が将来どの程度の年金を受け取れるのか気になる方も多いでしょう。特に「自分の年金額は少ないのか、それとも平均的なのか」という疑問はよくあるものです。本記事では、老齢基礎年金と老齢厚生年金の金額の見方や、平均額との比較、加入期間や収入による違いについて具体的に解説します。
老齢基礎年金と厚生年金の仕組み
年金には2つの柱があります。1つ目が国民全員が加入する「老齢基礎年金」、2つ目が会社員や公務員が加入する「老齢厚生年金」です。老齢基礎年金は加入期間に応じて一定額が支給され、厚生年金は報酬比例で金額が決まります。
2025年度の満額の老齢基礎年金は約81万円(年額)です。あなたの定期便に記載されている基礎年金が「774,521円」ということは、現在約40年の加入で、あと72か月(6年)加入すれば満額近くになる計算です。
年金額の全国平均と比較してみよう
厚生労働省の統計によると、令和5年度における老齢年金(基礎年金+厚生年金)の平均受給額は以下の通りです。
- 男性:約179万円
- 女性:約113万円
一方、あなたの定期便にある金額は、老齢基礎年金774,521円、厚生年金1,552,438円、合計で約2,326,959円となります。これは男性の平均額よりも多く、会社員として長く勤続されてきた結果といえるでしょう。
加入期間が480か月になるとどう変わる?
現在408か月の加入期間とのことですが、定年まで働き続けて480か月になれば、老齢基礎年金は満額に近づきます。老齢厚生年金についても、収入水準が同程度であれば、さらに数十万円上積みされる可能性があります。
仮に厚生年金の報酬月額が35万円であると仮定すると、加入年数が6年増えることで約15万円程度年金が上昇するケースもあります。
年金額は少ない?普通?判断するための視点
「少ないかどうか」の判断基準は、全国平均だけでなく「生活費とのバランス」で考えるのが現実的です。例えば、月20万円の年金がある場合、年金だけで生活できる方もいれば、家賃やローン、扶養家族の有無で不足する場合もあります。
そのため、自分の支出に合わせて「十分かどうか」を見極めることが大切です。将来の生活設計をするうえで、年金以外にどの程度の貯蓄があるかも含めて検討しましょう。
今後の年金額を増やすためにできること
定年まで勤務を継続することは年金額アップに直結します。それ以外にも、次のような手段で将来の受給額や生活資金を増やすことが可能です。
- iDeCo(個人型確定拠出年金)などの私的年金制度の活用
- 定年後も再雇用やパート勤務で厚生年金に加入し続ける
- 繰下げ受給(最大75歳まで)による受給額アップ
繰下げ受給を選べば、1ヶ月ごとに0.7%増加し、最大で84%増となります。受給開始年齢を65歳から70歳にするだけで、年金は約42%増えます。
まとめ:あなたの年金額は十分か?今後の見通しと備えが大切
定期便に記載された年金額は、全国平均や加入年数から見ると決して少ない水準ではありません。ただし、年金額が将来の生活に十分かどうかは、あなたのライフスタイルや支出によって異なります。加入期間を最大限活かしつつ、資産形成や老後の働き方も含めて総合的に準備することが重要です。
年金制度や今後の生活設計に不安がある場合は、日本年金機構の「ねんきんネット」や、社会保険労務士・FPへの相談も活用してみましょう。
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