自動車の任意保険には「等級制度」という仕組みがあり、保険料に大きく関わる重要なポイントです。事故がなければ毎年等級が上がり、保険料は安くなりますが、保険を解約した場合、その等級がどうなるのかをご存じでしょうか?今回は、等級の保存期間や失効、再加入時の取り扱いについて詳しく解説します。
等級とは?保険料を決める重要な指標
任意保険の等級とは、過去の無事故歴に応じて1〜20等級までのランクがあり、数字が大きいほど割引率も高くなります。6等級が初期スタートで、1年ごとに無事故であれば1等級ずつアップします。
事故があると翌年の等級が下がり、保険料も割高になるため、等級は安全運転の証とも言えます。
保険解約後の等級はどうなる?
保険を解約すると等級のカウントはストップします。しかし、等級自体が即座に失効するわけではなく、多くの保険会社では「中断証明書」を発行することで、最長で10年間まで等級を保存できます。
例えば、8等級で解約した際に中断証明書を取得していれば、次回の再加入時にその等級から再スタートが可能です。
6年以上空いた場合はどうなる?
重要なのは中断証明書を取得していたかどうかです。証明書がなければ等級の引き継ぎはできず、再加入時には「新規6等級」からのスタートになります。
質問の例のように、6年前に解約し、その後保険に加入していなかった場合、中断証明書がなければ等級はリセットされてしまい、8等級からではなく6等級からやり直しになります。
等級保存を活用するケーススタディ
【ケース1】Aさんは8等級で車を手放し、保険を解約。中断証明書を取得して5年後に車を再購入し、保険に加入 → 8等級から再開可能
【ケース2】Bさんも8等級で解約したが中断証明書を発行しなかった → 6年後に再加入時、等級は6等級にリセット
等級復活の例外はある?
稀に「等級証明書」などの古い情報が保険会社に残っている場合、柔軟な対応が可能なこともあります。まずは以前の契約先に確認し、保存データがないかを問い合わせてみましょう。
また、損害保険料率算出機構にも等級情報が保管されている可能性があるため、調査依頼するのも手段のひとつです。
まとめ:等級を守るには事前の準備がカギ
等級は一度解約してしまうと原則として保存期間を超えると失効してしまいます。解約時には必ず中断証明書の発行を依頼し、将来の再加入に備えておくことが大切です。
今回のように6年の空白期間がある場合、証明書がない限りは8等級からの再スタートは難しいでしょう。任意保険の見直しや再加入を検討している方は、保険代理店や損害保険会社に相談し、無駄な保険料の支払いを避ける工夫をしていきましょう。
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