老齢基礎年金の満額受給に必要な加入期間とは?厚生年金加入者が知っておきたいポイント

年金

老後の生活設計を考える上で欠かせない年金制度。その中でも、国民全員が対象となる老齢基礎年金の仕組みはとても重要です。本記事では、厚生年金に加入している方が老齢基礎年金の満額を受け取るための要件や注意点についてわかりやすく解説します。

老齢基礎年金の満額支給に必要な加入期間

老齢基礎年金の満額(令和6年度で年額約80万円)を受け取るには、国民年金の保険料を「原則として480月(40年)」納める必要があります。この「480月」とは、20歳から60歳までの40年間分のことです。

厚生年金に加入していた期間も、国民年金の第2号被保険者として自動的にカウントされますので、厚生年金に加入していれば基礎年金の納付も同時に行っていることになります。

厚生年金の加入期間=国民年金の加入期間にカウント

たとえば、18歳で就職しても、国民年金への加入義務があるのは20歳からです。したがって、20歳から厚生年金に加入していれば、その期間は自動的に基礎年金の納付期間としてカウントされます。

逆に、転職などで無職期間があった場合や、フリーランスなどで未納・未加入だった期間があると、その期間は除外されますので要注意です。

満額受給に不足がある場合の対処法

将来的に満額までの月数が不足しそうな場合には、次のような対策があります。

  • 任意加入制度:60歳以降も最大65歳まで国民年金に任意で加入し、不足月数を補える
  • 追納制度:過去10年以内の未納分をさかのぼって支払える制度
  • 付加年金の活用:自営業の方などが加入できる、基礎年金の上乗せ制度

実際に不足がどのくらいあるかは、ねんきんネットや年金定期便などで確認が可能です。

転職を繰り返した場合の注意点

転職が多い場合、年金の記録が複数の事業所や基金にまたがっている可能性があります。そのため、特に40代以降は「年金記録の漏れ」や「未加入期間」がないかを定期的に確認しておくことが重要です。

「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で、実際にカウントされている加入月数を確認し、不安があれば年金事務所に相談するのがベストです。

具体例で見るシミュレーション

たとえば、43歳で高卒後20歳から現在まで厚生年金に継続して加入している場合、すでに約23年=276月が経過しています。残り204月(約17年)をこのまま継続すれば、65歳時点で480月に達するため、満額の老齢基礎年金を受け取る条件を満たすことになります。

まとめ:加入記録の確認と今後の働き方の見直しが鍵

老齢基礎年金の満額受給には480月の納付が必要であり、厚生年金に加入している期間もそのカウントに含まれます。転職や無職期間があった方は、納付記録に漏れがないか早めにチェックし、不足がある場合は追納や任意加入などを活用するのが賢明です。

安心した老後を迎えるためにも、年金記録の確認と計画的な働き方を今のうちから考えておきましょう。

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