家電が壊れて2つの保険から補償を受けても大丈夫?重複請求と損害保険の基本ルールを解説

保険

テレビの画面が割れて損害保険に請求し補償を受けたあと、「職場の共済など別の保険にも加入しているから、そちらにも請求したい」と考える方は少なくありません。今回は、損害保険の“重複加入”に関するルールと、2社から補償を受けることの可否について、制度的・実務的な視点から解説します。

結論:損害保険は“実損てん補型”、2社からの二重受取は原則NG

損害保険(火災保険・家財保険など)は「実際に生じた損害を補償する保険」であり、原則として複数の保険会社から同一損害に対して二重に補償を受けることはできません

つまり、テレビ修理費が10万円かかった場合、2つの保険会社からそれぞれ10万円ずつ=計20万円を受け取るのはNGです。

これは「不当利得」や「保険金詐欺」とみなされるリスクもあるため、注意が必要です。

複数加入している場合、どう扱われる?

家財保険を複数契約している場合、「どちらか一方に請求する」または「両方に届け出て分担して支払われる」という方式が取られます。

ケース1: 片方の保険会社に請求し、補償を全額受けた場合 → 他方には請求不可(既に補償済のため)

ケース2: 両方の保険会社に申告 → それぞれが保険金を按分して支払う(例えば5万円+5万円)

このように、最終的に受け取れる保険金は「損害額の上限」までと決まっているのです。

保険金を受け取った後に別の保険会社に請求するのは問題?

修理費用がすでに一方の保険で満額補填されているにもかかわらず、同じ損害で別の保険に再請求するのは、虚偽申告と判断される可能性があります

たとえ「自分のお金で2社に加入しているから問題ない」と思っても、保険契約は“損害補償契約”である以上、「実際の損害を超える受け取り」は制度的に認められていません。

どうしても共済側に申請したい場合は?

共済側に事実を正直に伝え、「すでに別の保険で全額補填されたが、申請のみ可能か」を確認するのが正しい方法です。そのうえで、共済側が「申請不要」と判断する場合もありますし、「給付なし」として処理されることもあります。

万が一、虚偽や重複請求が発覚した場合は、金融庁生命保険文化センターなどが定めるルールに基づいて調査が入ることもあります。

まとめ:保険金は「実損分だけ」、誤って二重請求しないよう注意を

・損害保険は「実際の損害額」までしか支払われない仕組み

・複数の保険に加入していても、補償は損害額の範囲まで

・すでに全額補填されている場合、別の保険に再請求するのは基本NG

・不明な点がある場合は、事前に保険会社や共済組合に相談するのが安心

安心して補償を受けるためにも、制度の正しい理解と誠実な手続きが大切です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました