学生アルバイトの多くは、親の扶養内に収めるために年間収入を「103万円以下」に抑えようとします。ところが、ほんの数十円でもこのラインを超えてしまった場合、税金面や扶養の扱いにどう影響するのか不安になる方も多いでしょう。今回は、103万円の壁を「30円だけ」超えてしまったケースを例に、親の税金や扶養控除に与える影響を詳しく解説します。
103万円の壁とは?
103万円の壁とは、所得税の扶養控除が適用されるかどうかの基準となる金額です。具体的には、「給与所得103万円以下」であれば、扶養されている人(たとえば大学生の子ども)は所得税上で親の扶養に入れるという仕組みです。
ただし、103万円を1円でも超えると、扶養控除の対象から外れてしまう可能性があります。つまり、扶養される側にとっては微小でも、扶養する側(親)にとっては税金負担の増加につながる可能性があります。
30円オーバーで親の税金はどうなる?
103万30円という「わずか30円」のオーバーでも、基本的には扶養控除の対象外となります。これにより、親の所得税や住民税に影響が出る可能性があります。
たとえば、扶養控除が外れると、年間38万円の控除(所得税)および33万円の控除(住民税)が使えなくなります。これにより、所得税・住民税合わせて数万円程度の増税になるケースもあります。ただし、実際の影響額は親の所得額や居住地の課税方式によって異なります。
実は救済措置も?
一部の自治体や税務署では、「形式的に超えただけの収入」について柔軟に対応してくれる場合もあります。たとえば、年末調整や確定申告時に扶養対象として処理されることもありますが、これはあくまでも例外的な扱いとなります。
また、30円を取り戻すために何万円もの税金を失うというのは非効率にも思えますが、制度上は「1円でも超えれば対象外」というのが原則です。
住民税の非課税枠との関係
学生の場合、親の扶養だけでなく、「自分自身が住民税非課税になるかどうか」も大切です。住民税には「100万円の非課税枠」があります。103万円を超えても、住民税が課されない場合もありますが、これもお住まいの自治体次第です。
たとえば、東京都では100万円を超えた場合、学生であっても住民税が発生する可能性があるため、申告漏れやトラブルに注意が必要です。
103万円を超えないために気をつけること
今後は、年末近くになったら、源泉徴収票や給与明細を使って自分で収入を管理することが重要です。特に交通費や賞与が含まれている場合、年収が意外に高くなることもあります。
また、アルバイト先のシフト調整や給与支払日の確認なども効果的です。12月の給与を1月にずらすことで翌年の収入として扱われることもあります。
まとめ:30円の壁でも扶養控除には影響する可能性あり
たとえ30円というわずかなオーバーでも、税法上は「扶養控除の対象外」とみなされるリスクがあります。結果的に親の税負担が増えることもあるため、収入管理は慎重に行いましょう。
とはいえ、親御さんに正直に報告し、今後の対策を一緒に考えることが最善策です。税理士や市区町村の税務相談窓口に相談すれば、具体的な影響額も算出してくれるので、不安な場合は一度相談するのがおすすめです。
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