年金の繰下げ受給を検討している方からよく寄せられる質問の一つに、「繰下げ受給を選ぶことで年次改定の恩恵を受けられないのではないか?」というものがあります。ここでは、繰下げ受給と年次改定がどのように影響し合うのか、実際の金額を交えて解説します。
繰下げ受給の基本とは?
年金の繰下げ受給とは、65歳からの年金受給を繰り下げることによって、年金額が増額される制度です。1年繰り下げるごとに、年金額が8.4%増加します。例えば、年金額が100万円であれば、繰り下げ後は108.4万円となります。この増額は、生涯にわたって続くため、長期的なメリットが期待されます。
年次改定とは?
年次改定は、年金額の見直しを行う仕組みで、毎年4月に実施されます。改定によって、年金額が増額される場合もあります。たとえば、2021年4月に年金額が2%増額された場合、前年に受け取った年金額がそのまま増額されます。しかし、この年次改定は、繰下げ受給を選んだ場合にはどのように影響するのでしょうか?
繰下げ受給と年次改定の関係
繰下げ受給を選んだ場合、年次改定の恩恵は受けることができます。ただし、年次改定は繰下げ後の年金額に対して適用されるため、繰下げ前の年金額に改定が加算されるわけではありません。例えば、繰下げ受給をした結果、年金額が108.4万円となっている場合、その後の年次改定で2%増額されると、108.4万円×1.02=110.568万円となります。
繰下げ受給を選んだ場合、年金額はどうなるのか?
質問にあるように、もし繰下げ受給を選ばず、65歳から年金を受け取っていた場合、その年次改定の恩恵は直接受けることができます。例えば、100万円の年金が年次改定で2%増額され、102万円となります。一方、繰下げ受給を選んだ場合、繰下げ後の年金額に改定が加算されるため、受け取る年金額は最初に予想した増額(8.4%)に加えて、年次改定の2%が加わります。
実質的な増額は6.4%か?
質問の例で言うと、繰下げ受給後に108.4万円となる年金が、年次改定で2%増額されると、110.568万円になります。この場合、確かに繰下げ受給の最初の増額(8.4%)から年次改定(2%)分を引いた実質的な増額は6.4%となります。つまり、年次改定の分が繰下げ受給によって失われるわけではないものの、結果的に得られる増額は若干減少することになります。
まとめ
繰下げ受給を選んだ場合でも、年次改定の恩恵は受けられます。ただし、年次改定が加算されるのは、繰下げ後の年金額に対してです。そのため、実質的な増額は繰下げ受給の8.4%から年次改定分を引いた6.4%となります。この点を理解した上で、繰下げ受給を選ぶかどうかを検討することが重要です。


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