両親が高齢になり、生活支援や仕送りを検討する方にとって、実際の生活費がどれくらい必要なのかは非常に重要な情報です。今回は、田舎の持ち家に住み、父が年金受給中、母がパート勤務をしている世帯を例に、支出モデルと支援額の目安を解説します。
想定モデル:60代夫婦の基本的な家計状況
今回の例は以下のようなご家庭を想定します。
- 父:66歳、無職、厚生年金受給中
- 母:62歳、パート勤務(収入:約15万円/月)
- 住居:田舎の戸建て、ローン完済済
- 構成:夫婦2人暮らし
- その他:毎月の僧侶読経費用あり
生活費の大きな支出要素である「住居費」はゼロに近く、光熱費や食費などが中心になります。
月々の平均支出額はどのくらい?
総務省「家計調査報告(高齢夫婦無職世帯)」によれば、地方の持ち家高齢者夫婦の平均支出額はおよそ月24~27万円程度です。
ただし、今回のモデルは妻がパート収入を得ており、娯楽や交際費が控えめであると考えられるため、実際には月17~22万円程度が現実的な水準と推測できます。
主な支出内訳と費用の目安
支出項目 | 月額(目安) |
---|---|
食費 | 45,000円 |
水道光熱費 | 20,000円 |
通信費(スマホ2台+固定回線) | 12,000円 |
医療費・保険料 | 8,000円 |
車維持費(ガソリン・保険など) | 15,000円 |
交際費(お布施など) | 10,000円 |
雑費・日用品 | 10,000円 |
合計 | 約120,000~150,000円 |
ここに加えて、年1~2回の冠婚葬祭費や車検、医療費負担などの臨時支出もあります。
お坊さんへのお布施は月額いくら?
毎月僧侶が読経に訪れる場合、お布施の相場は地域によりますが3,000~10,000円が一般的です。
今回は間を取って月7,000円と仮定すると、年間84,000円が必要となり、月割りで約7,000円の定期支出と考えられます。
支援額の目安:いくら援助すべきか?
年金と母のパート収入が合わせて月約25万円と仮定した場合、基本生活費+臨時支出をまかなえる可能性は高いです。
ただし、お布施・冠婚葬祭・突発的な医療費等で赤字が出ることもあるため、月1万~3万円程度を目安に支援すると安心感が生まれます。
実際に贈与する場合の注意点
親にお金を渡す場合は、贈与税の基礎控除(年間110万円)を超えないように配慮する必要があります。
定期的な仕送りであっても、通帳の記録が残るようにし、「生活費補助」として記録しておくのがおすすめです。
まとめ
60代の両親が田舎の持ち家で慎ましく暮らしている場合、月の生活費はおおよそ12万~15万円前後であることが多いです。
年金やパート収入で赤字が出にくい構成とはいえ、急な出費や精神的な安心のためにも、月1~2万円の支援は現実的な選択肢といえるでしょう。
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