国民年金保険料の免除制度は、経済的に困難な状況にある方を支援する制度です。特に夫婦のうち一方が厚生年金に加入している場合、もう一方が国民年金の免除申請をするときに、配偶者の所得が影響するかどうかが気になるところです。本記事では、その仕組みと判断基準をわかりやすく解説します。
国民年金の免除制度の基本
国民年金の保険料免除制度には、全額免除・一部免除・納付猶予などの種類があります。免除申請は本人や世帯主、配偶者の所得をもとに判定されるため、単純に本人の収入が少ないからといって必ずしも免除されるとは限りません。
申請は年ごとに行う必要があり、審査基準は前年(1月~12月)の所得に基づいて決まります。
夫が厚生年金加入者の場合、免除の判定に影響する?
結論から言うと、夫が厚生年金に加入していても、国民年金の免除申請においては「配偶者の前年所得」が判定基準に含まれます。つまり、妻(国民年金)の免除を申請する際は、夫の所得も見られるということです。
この「配偶者の所得」には、給与所得はもちろん、賞与や副収入も含まれるため、免除申請時には前年の源泉徴収票や確定申告の控えを確認することが大切です。
実例で見る:免除判定への影響
例えば、妻が専業主婦で前年所得がゼロでも、夫がフルタイムで働いており年収が高い場合、妻の免除申請は通らないことが多いです。これは、夫婦の収入を合算して経済状況を判断するためです。
一方、夫が定年退職した直後などで、前年に収入がなかった場合は、妻の免除が通る可能性が高くなります。世帯全体としての所得状況が重視されるため、配偶者の状況も把握しておく必要があります。
免除が受けられない場合の選択肢
免除申請が通らなかった場合でも、国民年金の「学生納付特例」や「納付猶予制度」が利用できるケースもあります。納付が難しい状況であっても、将来の年金受給に影響するため、未納のまま放置せず何らかの対応をとることが重要です。
また、どうしても免除や猶予が認められない場合には、市区町村の年金窓口で分納や延納の相談も可能です。
配偶者の所得が影響しないケースもある?
実は、本人のみの所得で審査される「納付猶予制度(30歳未満の方)」の場合は、配偶者や世帯主の所得は問われません。このように制度ごとに判定基準が異なるため、自分に該当する制度を正確に選ぶことが大切です。
また、障害年金の受給者などは、所得の有無にかかわらず申請が通る特例もあります。
まとめ:家計全体で考える免除制度
国民年金の免除申請は、「本人・世帯主・配偶者」すべての前年所得をもとに審査されるのが基本です。夫が厚生年金に加入していても、その所得が高ければ妻の免除が認められない可能性がある点には注意が必要です。
ご家庭の状況に応じて、免除・猶予・納付の選択肢を比較し、将来の年金受給に影響が出ないようしっかり対策しておきましょう。
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