医療保険に加入していると、出産にともなう医療行為が給付の対象になるのか気になる方も多いでしょう。とくに吸引分娩やクリステレル圧出法などの処置、さらに妊娠中・産後の合併症に対する点滴治療など、給付対象がわかりにくいケースもあります。本記事では、日本生命などの一般的な医療保険において、出産時の医療行為がどのように扱われるのかを解説します。
基本的に「正常分娩」は保険の対象外
多くの医療保険では、「正常分娩」は疾病や事故とはみなされず、給付金の対象になりません。これは健康保険の制度でも同様で、自然分娩に関しては原則として自己負担になります。
ただし、帝王切開や吸引分娩などの「医療的な処置」が行われた場合、保険の対象になる可能性が出てきます。特に、クリステレル圧出法(胎児を押し出すための腹部圧迫法)が必要となった出産は、医学的処置として扱われるケースもあります。
吸引分娩やクリステレル圧出法の取り扱い
吸引分娩は、胎児の頭部にカップを装着して吸引しながら出産を補助する医療行為であり、医師の判断で実施された場合、保険会社が「異常分娩」とみなす可能性があります。
クリステレル圧出法は医療現場では緊急措置的に行われることが多く、母体や胎児の安全のために行われたと診断書に明記されていれば、給付の対象として認められる可能性が高くなります。
フェジン(鉄剤)点滴治療は給付対象になりうる
妊娠中や出産後に鉄欠乏性貧血を起こす方は多く、重度の場合はフェジンなどの鉄剤による点滴が必要になります。このような場合、貧血が「疾病」として診断され、入院または通院治療が行われたのであれば、保険給付の対象になる可能性があります。
6~7回にわたるフェジン点滴治療があったのであれば、診断書を添付のうえ保険会社に請求をしてみる価値は十分にあります。
保険金請求の際に確認すべきポイント
- 保険証券で保障内容を確認(入院・通院・手術・処置等の項目)
- 病院で診断書または証明書を作成してもらう(処置名・日数・入院歴)
- 吸引分娩やフェジン投与などの処置が診療明細に記載されているか
保険会社によっては、過去にさかのぼって請求ができる期間(例:2年)があるため、出産後しばらく経っていても諦めずに問い合わせることが大切です。
日本生命の医療保険の特徴と対応
日本生命の医療保険は、加入時期や契約内容によって保障の範囲が異なります。平成23年頃に契約した保険商品であっても、「女性疾病特約」や「手術給付特約」などがついていれば、今回のようなケースで給付が受けられる可能性が高くなります。
また、日本生命は給付請求の際に担当者やコールセンターが丁寧に対応してくれることで定評があります。診断書の様式や必要な書類を事前に確認しておくとスムーズです。
まとめ:あいまいなケースこそ問い合わせを
出産に伴う医療行為は、通常の病気とは異なるため、保険適用が不明瞭になりがちです。ですが、吸引分娩やフェジンの点滴治療など、医学的な処置や合併症治療があれば、医療保険の給付対象になることがあります。
契約時期が古くても、特約やオプションによって保障範囲が広がっているケースもあるため、日本生命に直接問い合わせて確認することを強くおすすめします。医師による診断書や処置明細が鍵となるため、まずは医療機関への確認から始めましょう。
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