社会保険に新たに加入する際に必要となる「被扶養者異動届」。特に扶養に入れる家族がいる場合や、ダブルワークをしている場合は、年収記載の取り扱いに迷うことが多いです。この記事では、複数収入源がある場合の記載方法や注意点をわかりやすく解説します。
被扶養者異動届とは?提出が必要なケース
「被扶養者異動届」は、健康保険に加入する被保険者が家族を扶養に入れる際に必要となる書類です。結婚や出産、就職、退職などで家族の扶養状況が変わるときにも提出が求められます。
この届出では、扶養に入れる家族の収入や住所、続柄などの情報に加えて、被保険者本人の年収の記載も重要な判断基準となります。
年収の記載方法|ダブルワークの場合はどう書く?
社会保険の判断における「年収」は、被保険者本人の全ての収入が対象となります。つまり、メインの勤務先だけでなく、副業やアルバイトなどの収入も含めた合計年収を記載する必要があります。
たとえば、メインの会社で年収300万円、副業で100万円の収入がある場合、「年収400万円」として異動届に記載します。副業で保険に加入していなくても、収入としては必ず合算する点に注意しましょう。
なぜ全収入を記載する必要があるのか
健康保険組合や協会けんぽは、被保険者が家族を扶養できるかを「年間収入の安定性と金額」で審査します。正確な金額を把握するため、ダブルワークや副業の有無にかかわらず、すべての所得を申告しなければなりません。
虚偽の申告や収入の過少申告が判明した場合、遡って扶養認定が取り消される可能性があります。
年収の記載形式と記入例
異動届には、年間収入の合計額と内訳を明記するのが望ましいです。以下は記入の具体例です。
収入の種類 | 年間金額 | 備考 |
---|---|---|
主たる勤務先 | 3,000,000円 | 月収250,000円×12ヶ月 |
副業・兼業 | 1,200,000円 | 週2日×月10万円 |
合計 | 4,200,000円 | 両方を合算 |
備考欄には、副業の勤務先や仕事内容、勤務頻度などを簡潔に書いておくと審査がスムーズになります。
年収の予測が難しい場合の対応方法
被扶養者異動届では、必ずしも前年の年収を記載するとは限りません。基本的には「今後1年間の見込み年収」で評価されます。最近ダブルワークを始めた場合でも、将来得る見込み収入を加味して記載する必要があります。
見込み年収は、直近の給与明細や業務契約書、源泉徴収票などから平均月収を出し、12倍した金額をベースに記載します。
まとめ:年収は合算が原則!正確な記載が扶養認定のカギ
被扶養者異動届における年収の記載は、すべての収入を合算して正確に記載することが基本です。メインの会社だけでなく、副業やアルバイトの収入も対象となるため、漏れなく記入するようにしましょう。
誤った申告を防ぐためにも、事前に必要書類を整理し、不明な点は会社の総務や健康保険組合へ確認するのが確実です。正しい手続きを踏むことで、家族を安心して扶養に迎える準備が整います。
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