パートやアルバイトで働く中で「130万円以内の扶養で働きたい」と考える方は多くいらっしゃいます。しかし、条件や仕組みを十分に理解しないまま手続きを進めると、意図せず社会保険や雇用保険に加入してしまうケースがあります。この記事では、社会保険と雇用保険に誤って加入してしまった場合の対処法や、扶養範囲内で働きたい方が気をつけるべきポイントを詳しく解説します。
130万円の壁と社会保険・雇用保険の違い
130万円の壁とは、年収が130万円未満であれば、配偶者の扶養に入りながら健康保険と年金の保険料が免除される制度上の基準です。
一方で、雇用保険は週20時間以上勤務し、31日以上雇用見込みがあれば加入義務が生じます。社会保険(健康保険・厚生年金)は以下の条件を満たす場合に加入が義務付けられます。
- 週の労働時間が20時間以上
- 月収が8.8万円(年収約106万円)以上
- 従業員数が101人以上の企業
- 勤務期間が2か月超の見込み
- 学生でない
この条件に当てはまると、130万円未満でも社会保険加入が必要になるため注意が必要です。
社会保険に誤って加入してしまった場合の対処法
まず確認したいのは、本当に社会保険の加入要件を満たしていたかどうかです。もし満たしていないのに加入手続きをしてしまっていた場合、「資格喪失届」を提出することで社会保険を抜けることができます。
対応の流れは以下の通りです:
- 勤務先の労務・人事担当に早急に相談する
- 加入条件を満たしていない場合、会社側が社会保険事務所に「訂正の手続き」を依頼
- 資格喪失後、控除された保険料は原則返還される
ただし、すでに保険証が交付されていたり、医療機関で使用していると調整に時間がかかる場合もあるため、早めの相談が重要です。
雇用保険だけ残して社会保険を外れることは可能か?
はい、雇用保険と社会保険は別制度のため、条件を満たせば雇用保険だけ加入し、社会保険を外れることは可能です。
例えば「月収8.8万円未満かつ週20時間以上勤務」のような場合、雇用保険には加入しつつ、社会保険の対象外として扶養内にとどまることができます。
この働き方は「130万円の壁」を維持したい主婦層や学生などにも多く、実際に多くの企業で認められています。
控除開始日と実際の反映タイミングに注意
多くの場合、社会保険の加入日は「手続きをした日」ではなく「実際の勤務開始日」または「契約上の加入対象日」となります。
今回の例では5月1日が加入日で、6月15日支給の給与から控除が始まるとのこと。つまり、保険料自体は5月分から発生しており、1か月遅れて給与から差し引かれる構造になっています。
今後ミスを防ぐために知っておきたいポイント
- 社会保険と雇用保険の加入基準の違いを確認
- 自分の労働時間と月収が各条件に該当するかを常に把握
- 変更や手続きは文書やメールで記録を残す
- 不明な点があれば事前に社会保険事務所や会社の担当者に確認する
このように備えておくことで、誤加入や保険料の過剰負担を避けることができます。
まとめ
130万円以内で扶養内を維持したい方にとって、社会保険と雇用保険の加入要件の違いは非常に重要です。誤って社会保険に加入した場合でも、条件を満たしていなければ「資格喪失」の手続きを取ることで外れることが可能です。早めの確認と対応が、今後の手取りや扶養資格の維持に大きく影響するため、迷ったらすぐに会社や社会保険事務所へ相談しましょう。
コメント