アルバイトやパートで働く方が社会保険に加入する機会が増えてきました。とくにダブルワークやフリーターの場合、「条件を満たせば加入」「条件を外れると脱退」というケースがあり、実際にどのような基準で判断されるのか迷う人も多いのではないでしょうか。この記事では、社会保険の加入・脱退に関わる基準や、会社によって異なる取り扱いがあるのかをわかりやすく解説します。
社会保険に加入する基準とは?
社会保険(健康保険・厚生年金)への加入は、通常、正社員だけでなく一定の条件を満たすパートやアルバイトも対象になります。具体的な条件は以下の通りです。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が8.8万円以上(年収106万円以上の目安)
- 勤務期間が2ヶ月を超える見込み
- 学生でないこと
- 勤務先が従業員101人以上(2024年10月以降は51人以上)
この条件をすべて満たすと、社会保険への加入が必要になります。
社会保険を外れる条件はあるのか
社会保険から外れるためには、「加入条件を満たさなくなった」と判断される必要があります。具体的には以下のような場合が該当します。
- 週の労働時間が20時間未満になる
- 月収が8.8万円未満になる状態が続く
- 契約期間が2ヶ月以内とされる短期契約になる
ただし、一時的に労働時間が減っただけでは即座に脱退になるわけではなく、継続的に条件を満たさないと見なされた場合に脱退手続きが行われます。
「2ヶ月連続で130時間未満」は正しい?
この「2ヶ月連続で130時間未満だから脱退になる」という説明は、あくまで企業独自の運用であり、法律で決まっているものではありません。130時間という数値も基準として曖昧で、一般的には「週20時間」や「月88,000円」が主な判断材料です。
つまり、会社が「月130時間で加入基準を見ている」としていても、それはあくまでその企業が内部規定として設けたルールにすぎず、法律上の判断基準とは異なります。
自動的に社会保険が適用・脱退される?
一度社会保険に加入すると、原則として継続加入になります。仮に出勤時間が減ったり給与が下がった場合でも、すぐに脱退とはならず、一定期間の就労状況を見て「継続して条件を満たさない」と判断されれば脱退処理されます。
また、再び条件を満たせば、自動的に再加入となるケースもありますが、これは「再雇用」「契約更新」などのタイミングで改めて加入手続きが行われることが多いです。
会社によってルールが違うのはなぜ?
法的な加入基準は統一されていますが、どの時点で「条件を満たさなくなった」と判断するかは会社ごとに運用が異なります。たとえば、1ヶ月単位で判断する企業もあれば、3ヶ月の平均で見る企業もあります。
そのため、「同じような働き方をしているのに、会社Aでは加入、会社Bでは未加入」といったこともあり得ます。
まとめ:継続的な条件維持がポイント
社会保険への加入や脱退は、一時的な労働時間や収入の変動ではなく、「継続的に条件を満たすかどうか」が判断材料になります。また、会社のルールによって判断のタイミングや基準が微妙に異なることも多いため、不安な場合は勤務先の総務部や人事担当者に直接確認するのが確実です。
フリーターやダブルワークでも、働き方次第で社会保険に加入できることは、将来の年金や医療費の負担を考えると大きなメリット。条件の変動を意識しながら、無理なく継続できる働き方を見つけていきましょう。
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