傷病手当金を受給中でも失業保険はもらえる?雇用保険加入期間の数え方と受給条件を解説

社会保険

病気やけがで働けなくなり、傷病手当金を受け取っている場合でも、将来的に失業保険(正式には「基本手当」)を受け取れるのか気になる方は多いでしょう。特に「雇用保険の加入期間が12ヶ月以上必要」とされている点が、条件に該当するかどうか分かりづらいことがあります。本記事では、傷病手当金を受けている方が失業保険を受給できる条件や、雇用保険の加入期間の数え方について詳しく解説します。

失業保険の基本的な受給条件

まず、失業保険(基本手当)を受け取るためには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

  • 離職日からさかのぼって2年間のうちに12ヶ月以上、雇用保険に加入していること
  • 特定受給資格者(会社都合退職など)の場合は、過去1年間に6ヶ月以上の加入で受給可能

ここでいう「1ヶ月」とは、賃金支払いの基礎となる労働日数が11日以上ある月を指します。

休職・欠勤中でも雇用保険の加入は継続される?

傷病手当金を受給している間、たとえ就労していない状態でも、会社との雇用契約が続いていれば雇用保険の加入も継続されます。つまり、休職中でも会社の在籍扱いであれば「雇用保険加入期間」としてカウントされます。

ただし、問題になるのは「欠勤扱い」の場合です。欠勤中でも社会保険や雇用保険に加入し続けていたかどうかがポイントになります。保険料が傷病手当金から引かれているとのことなので、継続加入していた可能性は高いと考えられます。

賃金支払いがない月でも加入月としてカウントされる?

雇用保険上の「被保険者期間」としてカウントされるためには、その月に「賃金支払いの基礎日数(11日以上)」があることが原則です。

休職中でまったく出勤していない場合、その月は「カウント対象外」になる可能性があります。ただし、2020年8月以降は雇用保険制度の運用が緩和され、「11日未満でも80時間以上の労働時間があれば対象になる」とされるなど、状況に応じてハローワークの判断が変わる場合もあります

医師の診断書がある場合の特例「受給期間延長」制度とは

今すぐ就職活動ができない(=就労可能な状態でない)場合、すぐに失業保険を受け取ることはできませんが、「受給期間延長」の手続きを行うことで、後から受給することが可能です。

受給期間延長とは、退職してから最大で4年間まで失業保険の受給を先延ばしにできる制度で、病気やけがが原因で求職できない場合にも適用されます。

この手続きは退職後30日を経過した後、さらに1ヶ月以内にハローワークへ診断書を提出することで行えます。

転職を経由して失業保険を受給する場合の注意点

もし「一度転職し、その後退職して失業保険をもらいたい」と考えている場合、新しい職場で最低6ヶ月以上働かないと失業保険の対象にならない点に注意が必要です。

仮に新しい会社を短期で辞めた場合、前職と合算して12ヶ月以上の雇用保険加入があれば受給可能ですが、その際の手続きや判定は少し複雑になります。早めにハローワークへ相談しておくのが安心です。

まとめ:加入実績の確認と手続きを忘れずに

今回のケースでは、雇用保険の被保険者資格が在職中に維持されていれば、9ヶ月間の就労+休職中の在籍期間が合算できる可能性があります。ただし、休職中に「賃金支払いの基礎日数」がなければ、失業保険の受給資格である12ヶ月に満たない可能性もあるため、ハローワークで被保険者期間の詳細確認をおすすめします。

さらに、就職活動の準備が整っていない場合は「受給期間延長」の制度も併せて検討しましょう。手続きのタイミングを逃さず、賢く制度を活用することで、心身の回復と再出発に集中できる環境を整えましょう。

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