「給料がなくなったら生活できないのに、なぜ貯蓄がゼロの人がこんなに多いのか?」という疑問を抱くのは自然なことです。実際に貯蓄ゼロ世帯は一定数存在し、年齢によってその割合も変化します。今回は、なぜそうした状況が起きているのか、そしてそれでも生活が続いている理由、そして備えるべき対策について解説します。
何歳以上で「貯蓄ゼロ」はどれくらいいるのか?
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯)」によれば、30代〜40代の約4割が貯蓄ゼロとされています。特に単身者ではその傾向が強く、二人以上の世帯でも20%前後が該当します。
また、50代以降になると徐々に貯蓄額は増えていきますが、それでも「老後2000万円問題」に対応しきれていない世帯は多いのが実情です。
給料が止まっても生活できるのはなぜ?
貯蓄ゼロ世帯でも生活が破綻しない理由としては、次のような要因が挙げられます。
- 生活費の多くが給料で賄われている(ギリギリで回している)
- リボ払いや分割払い、カードローンなどに頼っている
- 親族の支援や実家暮らしでコストを抑えている
- 公的支援(生活保護や給付金など)を利用している
つまり「今月暮らせるか」は大丈夫でも、「収入が止まった時にどうするか」の備えがない状態なのです。
貯蓄ゼロのリスクは想像以上に大きい
収入が突然途絶える状況(病気・リストラ・事故など)は誰にでも起こり得ます。貯蓄がないと、数週間〜数ヶ月の生活でさえ困難になり、借金や差し押さえにまで至る可能性も。
例えば、ある40代男性はリストラにより収入が途絶えた際、貯金ゼロだったことで1ヶ月で家賃が払えなくなり、親族に一時的に頼らざるを得なかったという実例もあります。
生活を守るための具体的な備えとは
以下は、給料が止まっても暮らせる体制を整えるための現実的なステップです。
- 生活防衛資金として3ヶ月〜半年分の生活費を目標に貯金
- 定期的な支出の見直し(サブスク・保険・通信費など)
- 副収入源(ポイントサイト・副業・配当所得など)の確保
- つみたてNISAやiDeCoなど長期的な資産形成の活用
これらを地道に積み上げることで、突発的な事態への耐性が生まれます。
「貯蓄はないけど今は平気」から抜け出すには
まずは自分の家計を見える化するところから始めましょう。家計簿アプリを使えば、どこにお金が流れているかが一目でわかり、無駄を発見できます。
また、「今は大丈夫だけど来月も同じとは限らない」と危機感を持つことも重要です。特に子どもがいる家庭や単身世帯では、守るものが多くリスクも高くなります。
まとめ:生活の安心は「収入」だけでなく「備え」から
給料があれば生活できるというのは一見正しいように見えますが、それは収入が続くことが前提です。貯蓄ゼロの人が多いのは事実ですが、それを放置することは将来への大きなリスクです。
「もし給料が止まったらどうなるか?」を常に意識して、早めの対策を講じていくことが、安心して暮らす鍵になります。
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