太陽光発電の導入から10年が経過し、固定価格買取制度(FIT)が終了した家庭が増えています。いわゆる「卒FIT」後の対応として、自家消費に切り替えるべきか、売電先を変えるべきか迷う方も多いでしょう。この記事では卒FIT後の選択肢や経済的な最適解を、わかりやすく解説します。
卒FITとは?終了後にどうなるのか
FIT制度とは、国が定めた価格で再生可能エネルギーの電力を電力会社が買い取る制度です。住宅用太陽光発電(10kW未満)は10年間の買取期間があり、それが終了することを「卒FIT」と呼びます。
卒FITになると、電力の買取価格が大幅に下がり、従来のような安定収入にはなりません。そのため、多くの家庭が「売電継続」か「自家消費」かの選択を迫られます。
自家消費は契約変更だけで可能?蓄電池は必要?
卒FIT後、自家消費に切り替えること自体は契約変更などの手続きだけで可能です。特別な届け出は不要ですが、電力の使用状況の見直しは重要です。
ただし、日中に発電した電気を夜間にも活用したい場合は蓄電池の導入が非常に有効です。蓄電池があれば、昼間に余った電気を貯めて夜に使えるため、電力購入量を抑えられます。
売電を続けるなら買取先の見直しを
大手電力会社の卒FIT後の買取価格は1kWhあたり7円前後と非常に低いため、新電力会社への切り替えが有効です。中には10円以上で買い取ってくれる企業もあり、地域や契約容量によってはかなりの差が出ます。
比較サイトや一括見積サービスを使って、より高単価の事業者を探すことをおすすめします。[参照]
売電と買電は別々に精算されているのか?
はい、基本的に売電と買電は別会計で精算されます。つまり、発電して余った分を売電し、足りない分は電力会社から購入するという二重構造になっています。
したがって、昼間にできる限り電気を使って自家消費を増やすことで、購入電力量を減らすのが経済的です。たとえば、洗濯・食洗機・エアコン・EV充電などを昼に集中させる運用が効果的です。
昼間使用のシフトで光熱費を削減できる
たとえば洗濯機や乾燥機を夜に使っていた家庭が、昼間の稼働に切り替えることで、電気代を毎月500〜1,000円削減できるケースもあります。特にオール電化家庭ではこの効果は大きく、電気料金プランとの相性も考慮すべきです。
また、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を導入すれば、消費電力量を可視化し、より効率的な電力運用が可能になります。
まとめ:卒FIT後の選択は柔軟に、戦略的に
卒FIT後は、売電価格の下落を踏まえた上で、「自家消費中心+高単価売電先の見直し」が経済的に最適な対応と言えます。蓄電池導入の検討、昼間への使用シフト、電力会社の再選定など、多面的な視点で判断していくことが大切です。
現在の電力使用状況や生活スタイルに合わせて、最もメリットのある運用方法を見つけていきましょう。
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