「奨学金=経済的に困っている家庭のための制度」と考えている方は多いかもしれませんが、実際には実家が裕福であっても借りられる奨学金も存在します。この記事では、特に日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金を中心に、所得制限や借入上限、申請時のポイントなどを詳しく解説します。
奨学金には「給付型」と「貸与型」がある
奨学金には大きく分けて「給付型」と「貸与型」の2種類があります。給付型は返済不要ですが、家計の収入基準などが厳しく設定されています。一方、貸与型は返済義務がある代わりに、より多くの学生が利用できる制度です。
特に「第一種(無利子)」と「第二種(有利子)」の貸与型奨学金のうち、第二種は比較的所得制限が緩やかで、実家の収入が高めでも借りられる可能性があります。
貸与型奨学金の収入基準はどうなっている?
日本学生支援機構(JASSO)による第二種奨学金の所得制限は、家計基準として年収1,100万円程度までであれば審査対象となる場合があります。ただし、学力基準や他の条件もあるため、申請には注意が必要です。
一方、第一種(無利子)については、年収750万円前後が上限の目安とされており、より厳格な審査が行われます。
奨学金はいくらまで借りられる?
大学生が借りられる貸与型奨学金の月額は以下の通りです(2024年度時点)。
- 第一種:月額2万円〜5.3万円(自宅外通学は最大6.4万円)
- 第二種:月額2万円〜12万円(1万円刻みで選択可)
つまり、最大で月12万円、年間144万円まで借りることが可能です。4年間で最大576万円にもなります。
実家が裕福でも奨学金を借りる実例
たとえば、実家が年収950万円ある家庭の子どもが、東京の私立大学に進学したケースでは、第二種奨学金で月8万円の貸与が認められたという事例があります。これは「都市部の物価」や「学費の高さ」を考慮して審査された結果です。
また、医学部や薬学部など学費が高額な学部では、特別増額貸与や入学時特別増額貸与奨学金を組み合わせて申請するケースも見られます。
貸与型奨学金を借りる際の注意点
奨学金は「借金」であることを忘れてはいけません。卒業後には月々の返済が発生し、10〜20年かけて返済するケースも少なくありません。
返済に無理がないか、就職後の収入と照らし合わせて計画的に借りることが重要です。また、奨学金返済支援制度を導入している企業を探すのも一つの選択肢です。
まとめ
実家が裕福であっても、給付型は難しくても、貸与型奨学金—特に第二種—であれば借りられる可能性があります。月額の選択肢も広く、進学費用の補助として有効です。ただし、将来的な返済も見据え、慎重な判断が求められます。まずは学生支援機構の公式サイトで最新の募集要項を確認し、学校の奨学金担当窓口に相談することをおすすめします。
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