給与明細が「甲」「乙」で2枚に分かれているケースに戸惑う方へ。扶養控除申告書の有無が影響する税区分の仕組みや、その処理が妥当か、違法性はあるのかを整理して解説します。
甲欄・乙欄の違いとその背景
「甲欄」は従業員が会社に扶養控除等申告書を提出している場合に適用されます。この場合、扶養控除や配偶者控除などが反映され、税額が優遇されます :contentReference[oaicite:0]{index=0}。
一方、「乙欄」は扶養控除等申告書を提出していないか、副業や兼業先など“従たる給与”に対して適用され、控除が受けられず税額が高くなります :contentReference[oaicite:1]{index=1}。
同じ名前で甲乙が分かれるのはなぜ?
たとえば主たる会社には扶養申告書を提出して甲欄、別の支給元(副業や兼業、別部門扱い)には扶養申告書を出していないため乙欄で徴収されます。その結果、給与明細が二枚になり、所得税・住民税と社会保険の控除が別々に記載されることがあります :contentReference[oaicite:2]{index=2}。
税額が突然12,000円に増えたのはなぜ?
乙欄適用では扶養控除等が考慮されないため、たとえ給与額が変わらなくても税額が増えることがあります。また、乙欄分には年末調整が適用されないため、確定申告で還付を受けない限り税負担が大きく残ります :contentReference[oaicite:3]{index=3}。
違法性や罰則はあるのか?
税区分の処理自体は法令に基づいたものであり、扶養申告書が提出されていない場合に乙欄が使われるのは合法です。ただし、会社による説明不足や従業員への適切な案内が欠けていた場合、労務管理上の問題となる可能性があります。
従業員に不利益が生じていると認められる場合は、労働基準監督署への相談や社会保険労務士への相談を検討してもよいでしょう。
実例:年末調整と確定申告の対応
ある方は年の途中で主たる給与が変更となり、前半は甲欄、後半は乙欄として処理されたため、給与明細が複数枚になりました。
結果的に年末調整では乙欄分は対象外だったため、確定申告で乙欄分も含めた総所得を申告し、過払い分の還付を受ける必要がありました :contentReference[oaicite:4]{index=4}。
まとめ
・給与明細が甲乙に分かれるのは、扶養控除申告書の提出状況や、副業・兼業による「従たる給与」として処理されているため。
・乙欄は控除が適用されず税額が高くなるが、適用自体は法令に沿った処理。
・確定申告で調整できる余地がある場合もあるので、過剰徴収がないか確認が大切。
・説明不足や不適切な管理による不利益があると感じた場合には、専門機関への相談も検討しましょう。
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