退職から転職までの間に必要な手続きや支払いは、見落としがちで複雑に感じる方も多いかもしれません。この記事では、国民年金、国民健康保険、住民税(市民税・県民税)に関する手続きや支払いのポイントを、時系列とともにわかりやすく解説します。
国民年金の支払いは退職から転職までの期間のみ
退職後から次の会社での社会保険加入までの期間(例:4月〜6月)は、国民年金の加入義務が発生します。日本年金機構から送られてくる納付書は、原則1年分まとめて届きますが、支払うのは実際に無職だった期間のみでOKです。
たとえば、7月から新しい職場で厚生年金に加入する場合、支払い対象となるのは4〜6月分の3ヶ月間のみとなります。それ以降の納付書は無視せず、未納扱いにならないよう管轄の年金事務所に報告するか、会社が厚生年金に加入手続きをしたら自然に処理されます。
国民健康保険は会社の保険加入までの間のみ支払い
国民健康保険も同様に、退職後〜転職までの期間のみ加入対象です。多くの自治体では、納付書は1年分(6月〜翌年3月)で届きますが、実際に支払うのは保険適用されていた期間のみ。
7月1日から新しい会社で健康保険に加入した場合、6月分の1ヶ月のみ支払えば良く、7月以降の納付書は無視せず「国民健康保険の資格喪失届」を市役所に提出する必要があります。
マイナポータルや市区町村の公式サイトからオンライン申請できる自治体も増えています。
住民税(市民税・県民税)の支払いは前年の所得に対して
住民税は前年の所得に基づいて課税され、6月から翌年5月までの1年間で分割して納付する形となっています。会社に在籍していれば「特別徴収」として給与天引きされますが、退職している期間中は「普通徴収」となり、納付書が届きます。
2024年6月に第1期の納付書が届いた場合は、退職期間中に支払う分です。7月に転職し、給与天引き(特別徴収)が始まるのは、早くても8月の給与分からですので、それまでは自身で納付する必要があります。
転職時に必要なその他の手続き
- 国民健康保険の脱退届:新しい職場の保険証が届いたら速やかに提出
- 年金の厚生年金加入切替:会社側が手続きを行うので基本的には不要。ただし、年金事務所からの書類が届いた場合は確認を
- 住民税の切替:給与からの天引きになるまで納付が必要。会社へ「住民税特別徴収切替依頼」を提出する場合もある
実際のスケジュールに合わせた支払い例
以下は3月退職→7月転職のモデルケースです。
月 | 項目 | 支払い |
---|---|---|
4月〜6月 | 国民年金 | 3ヶ月分を支払い |
6月 | 国民健康保険 | 1ヶ月分を支払い |
6月 | 住民税第1期 | 普通徴収で納付 |
7月〜 | 社会保険加入 | 給与天引きへ移行 |
8月以降 | 住民税 | 会社で特別徴収開始 |
まとめ:正しい理解と手続きで安心の転職期間を
退職から転職までの期間は、年金・健康保険・住民税に関してそれぞれ対応が必要です。しかし、実際に支払うのは在職していない期間のみでOK。支払いの負担を正しく把握し、抜け漏れのないように市区町村や会社の担当部署と連携して進めましょう。
不明点があれば、お住まいの自治体の窓口か、年金事務所・税務課に直接問い合わせることで、安心して次のステップに進むことができます。
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