老後に本当にお金はいらない?資産形成の重要性と支出のリアルな実態を解説

貯金

「老後はお金を使わなくなるから、資産は必要ない」という考え方を耳にすることがあります。しかし実際には、高齢期にこそ予想外の支出や生活コストが発生することも少なくありません。本記事では、老後の支出の実態や必要な資産の目安、そして備えの方法について、わかりやすく解説していきます。

本当に老後はお金を使わなくなるのか?

一般的に「老後は仕事を辞め、外出や消費が減るため支出が減る」と思われがちですが、実際にはそうとも限りません。医療費や介護費、住宅の修繕費や子ども・孫への支援など、年齢を重ねたからこそ増える支出も存在します。

例えば、70代後半になると通院の頻度が増え、医療費が月1万円以上になるケースもあります。また、介護保険の適用外サービスや、施設入居費用が必要になると、年間100万円以上の負担がかかることも。

年金だけで暮らせる?生活費の現実

総務省「家計調査(高齢夫婦無職世帯)」によると、平均的な月間支出は約26万円。一方で、平均的な年金収入は約20万円前後です。つまり、毎月約6万円の赤字が発生し、年間約70万円は自己資金で賄う必要があるということです。

仮に90歳までの30年間生きるとすると、70万円×30年=2,100万円の資産が必要になる計算です。これは、金融庁が話題にした「老後2,000万円問題」とも一致します。

予期せぬ出費:介護・住まい・冠婚葬祭

老後における突発的支出としては以下のようなものが挙げられます。

  • 介護施設入居一時金:数百万円〜
  • 自宅のバリアフリー改修:50〜100万円
  • 子や孫の結婚・進学援助:数十万〜100万円以上
  • 葬儀や法要費用:平均100〜200万円

このように、「生活費」以外にも多くの支出が発生する可能性があるため、一定の備えは欠かせません。

資産がないとどうなる?生活保護や支援制度の限界

資産がない状態で生活に困窮すると、生活保護などの公的支援が頼りになります。ただし、資産や扶養義務者の状況によっては受給が困難になることも。家族に迷惑をかけないためにも、最低限の資産形成は必要です。

また、年金や医療・介護制度が将来的にどう変化するかは不透明です。現在の制度が将来も継続されるとは限らないため、自助努力での備えが安心につながります。

老後資金を備えるための現実的な方法

現役時代から少しずつ以下のような対策を取っておくことが重要です。

  • iDeCoやNISAなどの税制優遇制度を活用した資産形成
  • 生活費の見直しと家計管理の徹底
  • 持ち家の有無を含めたライフプランの再検討

実例として、40代で月3万円を20年間積立てた場合、年利3%でも約1,000万円近くの資産が形成できます。少額でも継続することで大きな備えになります。

まとめ:老後は「お金がいらない」ではなく「計画的に使う」時期

老後はお金をあまり使わないというのは一部の側面に過ぎず、実際には予期せぬ支出が多く発生します。そのため、資産がないと不安定な生活になりかねません。早めの準備が、安心した老後の暮らしを実現する第一歩です。

「今は大丈夫」でも、「いざというとき」に困らないよう、自分のライフステージに合わせた計画を立てておきましょう。

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