障害年金の申請には、医師による診断書が非常に重要な役割を果たします。しかし、その診断書は医師が患者の実際の生活状況や症状を十分に把握していなければ、正確に記載されない可能性もあります。そのため、「病歴・就労状況等申立書」のコピーを医師に渡すことが、診断書の質を高めるうえで有効です。この記事では、その理由と渡す際の注意点について詳しく解説します。
診断書と申立書はセットで考えるべき
障害年金の審査においては、「診断書」と「病歴・就労状況等申立書」の整合性が重視されます。どちらかに矛盾があると、申請が不利になることもあります。
たとえば、申立書に「日常的に介助が必要」と記載していても、医師の診断書に「自立生活可能」とあれば、支給に疑義が生じる可能性があります。医師に申立書を事前に見せることで、実態に即した記載がされやすくなります。
医師が患者の全てを把握しているとは限らない
医師は診察を通して病状を把握していますが、就労状況や日常生活の細かい困難までは知り得ないこともあります。特に精神疾患などの場合は、本人の申告内容が重要な判断材料になります。
そのため、診断書記入時に申立書を添えることで、医師は生活実態を把握しやすくなり、より正確な情報を反映できます。
実際に申立書を渡したケースの効果
あるうつ病の申請者は、診断書の初回提出では「軽度」と判断され不支給となりました。しかし、再申請時に申立書をコピーして医師に渡し、生活困難の実態を共有したところ、「中等度」に訂正され、結果として障害基礎年金2級が支給されました。
このように、申立書の共有が審査結果に影響するケースは少なくありません。
渡すときのマナーとポイント
診断書を書いてもらう際には、医師に以下のように伝えると丁寧です。
- 「生活状況の参考にしていただければと思い、病歴・就労状況等申立書のコピーをお渡しします」
- 「記載に影響しない範囲でご参考にいただけたら幸いです」
また、誤解を避けるためにも、あくまで「補足資料」として渡す姿勢が大切です。
コピーを渡すことで得られるメリットまとめ
- 申立書と診断書の内容の整合性が保たれる
- 生活状況が医師に伝わり、正確な評価がされやすくなる
- 結果として審査通過の可能性が高まる
特に初診からの経過が長い場合や、複数の病院を転々としていた場合は、生活状況の全体像を把握してもらう意味でも効果的です。
まとめ:診断書記入の補助資料として積極的に活用しよう
障害年金の申請においては、「病歴・就労状況等申立書」の内容を医師と共有することで、診断書の精度が上がり、申請の成功率にもつながります。提出の義務はありませんが、結果を左右する重要な一手となり得るため、コピーを渡すことは非常に有効な手段です。丁寧な説明とともに、積極的に活用していきましょう。
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