「25歳の平均貯蓄額は8万円(単身世帯)、135万円(二人以上世帯)」という数字を見て驚いた方も多いのではないでしょうか?果たしてこの金額は本当なのか、それとも一部だけを切り取った情報なのか。本記事では、最新の統計データをもとにその実態を掘り下げ、リアルな25歳世代のお金事情を詳しく解説します。
平均貯蓄額と中央値の違いに注目
「平均貯蓄額8万円」は金融広報中央委員会が発表している『家計の金融行動に関する世論調査』に基づいたものですが、ここで注意したいのは「平均」と「中央値」の違いです。平均は極端に貯蓄が多い人がいると引き上げられますが、中央値は真ん中の人の金額を示します。
例えば、25歳単身世帯での中央値はゼロ円という結果も見られ、「貯金なし」が多数派であることもわかります。つまり、貯金ができていない人が珍しくないのです。
実際の25歳の収入事情と生活費
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によれば、25歳の平均年収はおよそ300万〜350万円程度。月収にすると手取りで18〜22万円ほどが一般的です。そこから家賃、食費、通信費、交際費などを引くと、貯金にまわせる金額は限られてくるのが現実です。
特に地方在住や実家暮らしの方と、都市部で一人暮らしをする方とでは貯蓄に回せる余裕がまったく違います。
「意識して貯める」人はどうしている?
少額でも毎月の収支を見直し、自動積立設定などで貯金の習慣をつけている人は多く存在します。例えば、「楽天銀行の自動積立で月1万円だけでも強制的に貯金する」や、「給料が入ったら最初に3万円を貯金用口座へ移す」といったテクニックがよく使われています。
また、つみたてNISAやiDeCoを活用して将来の資産形成に早くから取り組んでいる人もいます。
貯金ゼロの不安をどう乗り越えるか
「貯金がない=ダメな人」ではありませんが、急な出費に対応できないことが将来の不安に繋がります。そのため、少額でもいいので「先取り貯金」や「固定費の見直し」から始めるのが第一歩。
また、生活防衛資金(生活費3〜6ヶ月分)をまず目指すと、精神的にも安定しやすくなります。
社会全体としての若年層の貯蓄傾向
実際、20代全体で「貯蓄ゼロ」という割合は40%以上といわれており、決して少数派ではありません。教育ローンや車のローンを抱えている人も多く、まずは借金返済が優先というケースもあります。
ただ、長期的に見ると30代に入ってから急に老後資金や住宅資金の問題に直面しやすいため、早めの対策が功を奏することも多いです。
まとめ:8万円は本当だけど、それが全てではない
25歳の平均貯蓄額が8万円というのは誤りではありませんが、それが現実のすべてでもありません。データの見方や自分の生活スタイルによって、感じ方は大きく異なります。
大切なのは「今の自分の状況を理解し、何を目指すか」です。まずは小さな習慣からスタートし、将来に備えるお金の基盤を作っていきましょう。
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