退職後の健康保険切り替え期間に10割負担で受診した場合、払い戻しは受けられる?

国民健康保険

退職後すぐに国民健康保険へ切り替えたいと思っても、社会保険の資格喪失証明書が届くまで手続きが進まない場合があります。そんなときに病院へ行く必要が生じたら、医療費は全額自己負担になるのか、後日払い戻しが受けられるのか不安になりますよね。今回は、保険証がない期間に受診した場合の対応について、わかりやすく解説します。

退職後に保険証がない期間が発生する理由

会社を退職すると、それまで加入していた健康保険(社会保険)の資格が喪失します。市区町村で国民健康保険に加入するには、この「健康保険資格喪失証明書」が必要です。しかし証明書の発行には数日から1週間程度かかることもあり、その間に病院にかかる可能性もあります。

つまり、「保険証がない=無保険状態」ではなく、あくまで書類が未整備なだけというケースが多いのです。

保険証が手元にないまま病院にかかったら?

健康保険証がない状態で病院に行くと、原則として窓口で医療費の全額(10割)を請求されます。ですが、これは一時的な措置であり、後日きちんと保険加入手続きを済ませれば、自己負担額(原則3割)との差額が払い戻されます

この払い戻しを受けるためには、国民健康保険の加入後に「療養費支給申請書」を市区町村に提出します。病院で受け取った領収書や診療明細書が必要になるため、必ず保管しておきましょう。

払い戻しを受けるための手続き方法

  • 市区町村役場で国民健康保険の加入手続き
  • 「療養費支給申請書」に記入
  • 診療時の領収書・明細書の提出
  • 本人確認書類・印鑑・振込先口座の情報を準備

通常、払い戻しは申請から1~2か月程度で指定口座に振り込まれます。申請期限は原則として2年間以内なので、早めの手続きを心がけましょう。

社会保険を任意継続する選択肢も

退職後すぐに医療機関の受診が想定されている場合は、「健康保険の任意継続被保険者制度」を活用する方法もあります。これは、退職前の健康保険を最長2年間継続できる制度です。

任意継続を希望する場合は、退職後20日以内に健康保険組合等へ申請する必要があります。ただし保険料は全額自己負担(従来は会社が半額負担)となるため、金額の比較検討が必要です。

実例:申請が間に合わず10割負担になったケース

ある30代女性が退職後すぐに風邪をひいて受診。資格喪失証明書の到着が遅れ、保険証がないまま病院に行ったため、初診で8,000円の支払いを求められました。しかしその後、市役所で国民健康保険に加入し、「療養費支給申請」を行った結果、5,600円(7割分)が返金されました。

このように、領収書を保管し、早めに保険加入・申請をすればきちんと払い戻しは受けられます。

まとめ:安心して病院を受診するために

退職後の健康保険切り替え期間中でも、医療費の全額負担はあくまで「一時的な建て替え」にすぎません。必要な書類や手続きを正しく行えば、7割の払い戻しは原則として受けられます。

万が一のためにも、診療時の領収書・明細の保管、そして市区町村の窓口への早めの相談を忘れずに。将来同じような状況になっても落ち着いて対応できるよう、制度の仕組みを理解しておきましょう。

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