いくら貯金があれば「裕福層」と言えるのか？資産水準と暮らしのリアル

「裕福層」と聞いてどのような金額を思い浮かべるでしょうか？収入や生活スタイルによって基準は異なるものの、金融資産の額によってある程度の目安は存在します。本記事では、一般的な貯金額の水準や、どの程度の資産があれば「裕福」と呼べるのかを解説します。

日本における裕福層の定義とは？

日本では、金融広報中央委員会や野村総合研究所（NRI）が「純金融資産保有額」に基づき、以下のように世帯を分類しています。

この中でも「富裕層」や「超富裕層」は明確に裕福層と認識されますが、「準富裕層」でも一般的な生活水準においては十分に裕福な部類に入ると考えられます。

たとえ資産が1,000万円でも、借金がなく、将来の不安が少なく、自分の時間や選択肢に自由があると感じていれば「裕福」と言える人もいます。逆に、5,000万円の資産があっても、日々の支出に追われて不安を抱えていれば、精神的には「裕福」とは言いづらいかもしれません。

裕福さには数字的な側面と心理的な側面の両方があることを理解しておく必要があります。

「貯金」というと現金預金を思い浮かべがちですが、実際には株式・投資信託・不動産などの資産も含めて評価する必要があります。特に投資に積極的な世帯では、現預金が少なくても金融資産全体では高い価値を持っているケースもあります。

例えば、貯金は300万円でも、長期保有の株式が2,000万円ある人は、実質的にはアッパーマス層に該当します。

自分がどの位置にいるのかを把握するには、平均値と比較するのも一つの手です。総務省の家計調査（2023年）によると、単身世帯の平均貯蓄額は以下の通りです。

「裕福」と呼ばれる水準はこの平均を大きく上回る必要がありますが、上記と比較して自分のポジションを知ることで今後の目標設定にも役立ちます。

裕福層になるための近道は、高収入ではなく、長期的な資産形成にあります。毎月の積立投資、支出の見直し、不要な固定費の削減など、少しずつでも実行することで、将来的な裕福層への道が開けます。

また、20代・30代であれば「時間」という資産が大きな武器です。複利の力を活用しながら、計画的にお金を増やすことを目指しましょう。

「裕福層」とされるには、一般的には金融資産5,000万円以上が目安とされていますが、貯金だけで判断するのは早計です。不動産や投資資産を含めた総資産での評価が重要であり、精神的な充足感も「裕福さ」を決める一因です。

大切なのは、自分に合った生活水準を維持しつつ、将来のために着実に資産形成を行うこと。無理な目標ではなく、現実的かつ持続可能なプランで「自分にとっての裕福」を築いていきましょう。