130万円超えたらどうなる?週20時間未満勤務でも知っておきたい社会保険の落とし穴

社会保険

パートやアルバイトで働いている方にとって、「収入が130万円を超えると扶養から外れる」というルールは広く知られています。しかし、実際の社会保険加入義務には収入以外にも勤務時間や雇用形態などの複数の要素が関わっており、混乱するケースが少なくありません。この記事では「週20時間未満で働きながらも、130万円を超えた場合に社会保険の加入が必要になるのか?」という疑問を、制度の仕組みとともに解説します。

130万円の壁とは?まずは扶養の基本をおさらい

「130万円の壁」とは、健康保険の扶養判定に使われる基準の1つです。被扶養者として健康保険に加入するには、年間収入が130万円未満(60歳以上や障害者は180万円未満)である必要があります。

この基準を超えると、扶養から外れて自分で保険・年金に加入する必要が生じ、保険料の自己負担が発生します。

週20時間未満なら社会保険の加入義務は原則なし

たとえ収入が130万円を超えても、週の所定労働時間が20時間未満であれば、一般的には厚生年金や健康保険(いわゆる社会保険)の加入対象とはなりません。

これは「短時間労働者の社会保険適用拡大」の対象外であるためであり、130万円以上の収入があっても、勤務時間や雇用期間が条件を満たさなければ加入義務はありません。

それでも扶養からは外れる可能性が高い

ただし、扶養は「社会保険加入義務」とは別の判断基準であることに注意が必要です。たとえば、勤務先の社会保険に加入する必要がなくても、収入が130万円を超えれば、被扶養者の資格は喪失します。

そのため、扶養から外れることによって、自ら国民健康保険や国民年金に加入する義務が発生します。これにより、保険料や年金の負担が生じる点が最大のリスクです。

実例:時給アップで年収130万円を突破した場合

仮に、時給1,200円で週18時間働いていた方が、急に時給1,500円に上がったとしましょう。この場合、月収は約108,000円、年収にすると129万円を超える可能性が高くなります。

このように、勤務時間を増やさなくても、時給や賞与などで年収が上がれば扶養を外れる可能性が出てきます。調整が難しい場合は、雇用主に相談し勤務日数や時間を調整してもらうか、扶養を外れることを前提としたライフプランを立てる必要があります。

130万円超過後の対応策と手続き

収入が130万円を超えた場合、まず確認すべきは自分の勤務先で社会保険に加入する条件を満たしているかどうかです。

  • 週の所定労働時間が20時間以上か
  • 雇用期間が2ヶ月以上の見込みか
  • 月額賃金が88,000円以上か
  • 従業員数が51人以上か(または任意適用事業所か)

これらを満たさなければ、自動的に国民健康保険・国民年金への切り替えが必要になります。加入手続きは、住所地の市区町村役場で行います。

まとめ:加入条件をよく理解し、早めの対策を

週20時間未満で働いていても、収入が130万円を超えると扶養から外れる可能性があるため注意が必要です。ただし、それだけでは社会保険への加入義務は発生せず、代わりに国民健康保険や国民年金への加入が求められるのが実情です。

ライフスタイルや家計状況に合わせた選択が大切なので、場合によっては社労士や税理士などの専門家に相談してみるのもおすすめです。

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