生命保険を「払済(はらいずみ)」にするべきか続けるべきか。この判断は保険の予定利率や家族構成、資産形成の目的によって大きく左右されます。特に子育てを終えた後のシングルマザーや家計を見直すタイミングにおいては、将来の資金効率を考慮して見直す価値があります。
「払済保険」とは何か?基本の仕組みを確認
払済とは、それ以降の保険料支払いを止める代わりに、これまでの積立額に応じた保障額で契約を継続する方法です。通常の解約と違い、保険契約は維持され続ける点が特徴です。
例えば、もともと500万円の死亡保障だった契約を払済にすると、それが300万円に減額されるものの、保険契約自体は継続され、保険料の支払いは不要になります。
予定利率が低い保険は資産効率が悪くなる可能性も
予定利率は保険会社が契約者に約束する運用利回りのことです。予定利率が1.0%程度であれば、現代のNISAなどの非課税制度を活用した投資よりも、資産成長の面では見劣りする場合があります。
一方、予定利率2.75%の保険は貴重な“お宝保険”と呼ばれることもあり、金融環境が低金利の現代においては長期で維持するメリットもあります。
死亡保障の見直しと家族構成の変化を踏まえた判断
子どもが既に成人し、自立し始めている場合、死亡保障の必要性は減少します。そのため、保険に高額をかけ続ける必要がなくなるケースも多いです。
例えば、加入当初は「子どもの学費や生活費の確保」が目的でも、現在はそれが不要となれば、その分を他の目的、たとえば老後資金や資産形成に振り向けるのが合理的です。
払済にして浮いた保険料をNISAで資産形成に活用
払済により保険料の支払いが止まり、その分の資金をiDeCoや新NISAに回すことで、老後資金の形成を加速させることができます。非課税の投資枠を活用すれば、予定利率1.0%の保険よりも実質利回りを高くできる可能性が高いです。
たとえば、年間10万円をNISAで年3〜5%で運用できれば、20年で200〜300万円近い資産に成長することも十分現実的です。
実際の判断にはキャッシュフローと保障内容を照らし合わせる
払済を決める前には、以下のような視点で自分の状況を確認しましょう。
- 現在の貯蓄・収入・支出のバランス
- 今後の医療・介護・老後に備える必要性
- 子どもの支援が必要な期間の見通し
また、保険の種類によっては払済にしても解約返戻金が少なくなったり、特約(医療保障など)が消滅したりする点にも注意が必要です。
まとめ:死亡保障と資産形成のバランスを再構築する好機
予定利率の低い保険は払済にし、支出を抑えつつ必要な保障だけ残す方法は、ライフステージに応じた賢い判断です。その分の資金をNISAなどでの運用に回すことで、将来の生活安定や資産拡大につなげられるでしょう。
保険の見直し=保障の見直し+資金活用の見直しと考え、家計の最適化を進めていきましょう。
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