海外通販でPayPalを使って買い物をした際、請求金額が購入金額より高くなるケースがあります。特にデビットカードと連携した場合、PayPalの明細と銀行の明細で金額に違いが生じると混乱する方も少なくありません。今回はその背景と、なぜ500円前後の差が生まれるのかを詳しく解説します。
PayPal決済時に発生する通貨換算手数料の仕組み
PayPalは日本円で支払ったとしても、海外店舗側で米ドルやユーロなど外貨建てで決済されている場合、PayPal内で自動的に通貨換算が行われます。このときに適用される為替レートにはPayPal独自の手数料(最大4%程度)が上乗せされており、実際の為替レートより高く設定されています。
例えば1ドル=145円の為替レートであっても、PayPalでは約151円で計算されるといった差が生じます。その結果、表示上は14,300円でも、カード請求額が14,800円近くになることもあるのです。
PayPay銀行のデビットカードにかかる為替手数料
PayPay銀行のVisaデビットカードを通じて決済を行った場合、Visaインターナショナルが適用する為替レートに対して、3.08%の事務処理手数料が上乗せされます。
仮に外貨決済が行われ、PayPal側で「外貨のまま処理」を選んでいた場合、デビットカード側での為替換算が実行され、結果的にPayPalの表示金額と実際の請求額が異なることになります。
PayPalの支払い方法設定による違い
PayPalの設定で「PayPalによる換算」か「カード会社による換算」かを選べるオプションがあります。デフォルトでは「PayPal換算」が選ばれていることが多く、これが原因で予想外の金額が請求されることもあります。
この設定は、PayPalの「支払い設定」画面から変更可能です。今後同様のトラブルを避けたい場合は、「カード会社による換算」を選んでおくのがおすすめです。ただし、カード会社側のレートも手数料込みであるため、完全に為替差がなくなるわけではありません。
為替レートの確定タイミングにも注意
PayPalの明細に表示される金額と、カードの請求金額がずれるもう一つの要因として、「為替レートの反映タイミングの違い」があります。PayPal上では決済時点のレートが適用されますが、実際にカード会社に請求されるのは数日後であり、その間にレートが変動していることがあります。
特に為替が大きく動いた日や、土日・祝日を挟んだ場合は注意が必要です。PayPalは決済確定時のレートを使う一方、カード会社は実際に決済されたタイミングでのレートを適用するため、金額のズレが生まれるのです。
もし不明な請求があった場合の対処方法
請求金額に納得がいかない場合は、まずPayPalの取引明細を確認し、為替換算の有無や手数料の詳細をチェックしましょう。その上で、PayPay銀行側にも問い合わせることで、詳細な換算レートや手数料明細を入手することが可能です。
また、万が一明らかに過剰請求や不正利用が疑われる場合は、早急にPayPalとPayPay銀行両方に連絡し、調査依頼を出すことが推奨されます。
まとめ:海外通販では通貨換算のルールを理解しよう
海外通販でのPayPal決済において、銀行のデビットカード経由で支払った場合に金額がずれるのはよくあることです。主な原因は為替レートの違いや手数料の加算にあります。
少額の差異であれば「仕様の範囲内」であることが多いですが、事前に設定を見直したり、為替の仕組みを理解することで、余計な手数料や誤解を防ぐことができます。
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