学生がアルバイトをしている場合、一定の条件を満たすと社会保険(健康保険・厚生年金)の加入義務が発生します。しかし、月々の収入額や勤務日数によっては対象とならないことも多く、正しく理解しておくことが大切です。
学生でも社会保険に加入することはある?
基本的に、学生は原則として社会保険加入の適用除外ですが、「週20時間以上」「月収88,000円以上」「継続性のある勤務」などの条件をすべて満たすと、加入対象になる場合があります。これは2016年の法改正以降、短時間労働者の適用範囲が拡大されたためです。
ただし、昼間学生(定時制・夜間部や通信制を除く)は、たとえ条件を満たしていても適用除外とされています。つまり、大学生や専門学校生であれば、基本的には社会保険加入の心配はほとんどありません。
月収88,000円の3ヶ月連続ルールの真相
企業によっては、社会保険加入の判断を「3ヶ月連続で月88,000円以上かどうか」で見ていることがあります。これは、「一時的な高収入ではなく、継続性がある」と見なすための内部判断基準で、法律上の決まりではありません。
例えば、2月と3月が10万円を超えていても、4月に1万円ほどの収入であれば、「継続性がある」とは判断されないため、社会保険加入の対象外になることがほとんどです。
103万円の壁と所得税の関係
年間収入が103万円以下であれば、扶養控除の範囲内に収まるため、親の扶養に入り続けることができます。これはあくまで「税法上の扶養」の話であり、社会保険の扶養や本人の保険加入とは別の話です。
よって、月収の変動があっても年間トータルで103万円を超えなければ、所得税や住民税が発生する可能性は低く、扶養にも影響はありません。
社会保険に加入するとどうなる?
万が一、学生であっても社会保険に加入することになれば、給与から健康保険料や厚生年金保険料が天引きされます。これにより、手取りが大きく減少するため、注意が必要です。
一方で、厚生年金に加入すると将来の年金受給額が増える、病気やケガによる傷病手当金が受け取れるなどのメリットもあります。
バイト先に確認するのが確実
収入が高くなったり勤務時間が長くなったりすると、バイト先が社会保険加入の対象として扱うこともあります。学生であることを伝え、社会保険の加入が必要かどうかを確認しておくと安心です。
また、契約時の雇用条件や勤務実績なども判断材料になるため、過去の給与明細やシフト表も確認しておきましょう。
まとめ
学生がアルバイトをしていても、原則として社会保険の加入義務はありませんが、収入や勤務日数によっては例外もあります。月収88,000円を超える月があっても、継続していなければ対象外となる可能性が高く、特に1月は働いていない、4月は少額収入という状況なら、加入の心配は少ないでしょう。
最終的にはバイト先の判断も関わるため、不安がある場合は早めに相談することをおすすめします。
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