転籍・閑散期減少があっても離職票と失業保険はどうなる?勤務日数と条件の関係を整理

社会保険

A社からB社への転籍後、閑散期で出勤日数が基準に届かず退職時に離職票が発行されないケースについて、社会保険・雇用保険の専門的視点で整理した解説記事です。

転籍後もA社の勤続年数は通算できるのか?

転籍は出向ではなく新たな雇用契約なので、A社とB社の勤続年数は別になります。ただし、雇用保険の被保険者期間は、離職日までに遡って2年間以内であればA社やB社の期間が通算されます。

つまり、A社で5年以上加入していた実績があれば、B社で1年未満でも被保険者期間の要件を満たす可能性があります[参照]。

失業保険の被保険者期間の条件とは?

失業手当を受けるには、離職日の以前2年間に「賃金支払の基礎となった日数が11日以上ある月」が12か月以上あることが必要です(特定理由離職者は6か月以上)[参照]。

この「11日以上勤務した月」の判断は日数だけでなく、改正後は「月80時間以上勤務」がある場合もその月を1か月としてカウントされます[参照]。

閑散期に10日未満の月があるとどう影響する?

閑散期で4月・5月それぞれ10日未満の勤務となると、もしその月の労働時間も80時間未満であれば、被保険期間としてカウントされません。

たとえA社で長く勤務していても、その期間に「11日以上勤務した月」が合計12か月以上に満たなければ、失業給付の対象外となります。

会社都合転籍や閑散期は裁量対象になるのか?

たとえ閑散期による出勤日数の減少や会社都合の転籍があったとしても、それ自体は出勤日数の要件を満たす扱いにはなりません。法律上は、実際の出勤日数と時間で判断されます。

勤務日数や時間が基準に満たない月は、被保険者期間としてカウントされないため、離職票の作成要件を満たせない可能性があります。

見直すべき対応と相談のポイント

離職票が発行されない旨を会社から告げられた場合、まず確認すべきは「過去2年間で11日以上勤務した月」が12か月以上あるかどうかです。

  • 出勤記録やタイムカードを確認し、日数や時間を整理する
  • 80時間超の月があるかどうか照合する
  • 会社に対して「被保険者期間の通算」を主張し、離職票作成の再検討を要請する

まとめ

転籍や閑散期で出勤日数が少なかった場合でも、A社での雇用保険加入実績があれば、被保険者期間の通算対象になります。ただし、重要なのは「11日以上勤務した月」が通算12か月以上あるかどうかであり、状況によっては失業給付の対象とならない可能性があります。

まずは自身の勤務実績を整理し、必要に応じてハローワークや社会保険労務士にも相談しつつ、離職票や給付対象について確認することをおすすめします。

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