本業と副業の両方で社会保険加入条件を満たす「二以上事業所勤務」のケースでは、従業員にも会社にも手続きが発生します。初めての対応でも相手にわかりやすく説明しながら、正しく届け出を行うことが大切です。
二以上事業所勤務とは?
複数の事業所で働き、合算した労働条件が社会保険の加入基準を満たす場合、その従業員は両方の会社で加入対象となります。例えば、本業で社会保険加入済でも、副業先でも一定の勤務条件を満たすと手続きが必要です。
Point:「ダブルワークでも加入は1つだけ」ではなく、賃金を合算して保険料を按分する制度です。
従業員本人が行う「二以上事業所勤務届」
年金事務所へ提出する「二以上事業所勤務届」は、被保険者本人が手続きするのが原則とされています。この届出によって、どの会社を主たる事業所とするかが決定され、保険料計算方法が確定します。
会社側としては、パートさんに以下のようにシンプルに伝えればOKです。
「弊社でも社会保険加入条件を満たしましたので、年金事務所への手続きが必要になります。ご対応をお願いできますか?」
会社側が行う手続き:資格取得届
会社側では、従業員が加入条件を満たした時点で、資格取得届を年金事務所へ提出する義務があります。
- 副業側(質問者様の会社) → 資格取得届を提出
- 従業員本人 → 二以上事業所勤務届を提出
この2つが揃ってはじめて社会保険の手続きが成立します。
パートさんに確認すべきポイント
混乱を避けるため、以下を確認しながらサポートしましょう。
- 本業側で社会保険加入済であること
- 住所・氏名・基礎年金番号の一致
- 勤務条件の見直し(労働時間・賃金など)
必要であれば、年金事務所へ同行したり、書類準備をサポートするのも親切です。
実務上の流れ(わかりやすい手順)
① 勤務条件が加入基準を満たす
② 会社が資格取得届を提出
③ 従業員本人が二以上事業所勤務届を提出
④ 年金事務所で確認 → 社会保険料計算が確定
処理完了までは数週間かかることもあります。
まとめ
二以上事業所勤務の社会保険手続きは、従業員本人と会社が役割を分担して行います。会社側は資格取得届を提出し、従業員本人には年金事務所への届出を案内すればOKです。難しく説明する必要はなく、丁寧にサポートすることが大切です。
初めての対応でも、正しい手順を踏めば問題なく進められますのでご安心ください。


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