火災保険の“価格協定特約”はいつから?事業用建物の新価契約化の歴史を解説

保険

「昔は事業用建物でも火災保険に新価(再調達価額)で入れなかった」という話を耳にしたことはありませんか。本記事では、価格協定・新価特約の導入時期や制度の変遷、事業用建物への適用が可能になった背景を、火災保険の歴史をもとに解説します。

そもそも価格協定特約とは?

火災保険は本来【時価額】で評価され、経年劣化分が差し引かれた金額しか補償されません。そのため「価格協定特約」を付けることで、契約時に合意した再調達価額(いわゆる“新価”)を補償対象とできます。

これによって、建物を最新価格で建て直すための保険金が支払われ、実用性が高まります。([参照])

住宅用と事業用で導入時期に差がある?

調査によると、住宅向けの火災保険においては1964年に「新価保険特約」が導入され、1975年には「価格協定特約(再評価式)」が販売されました。これにより、住宅躯体を新価で契約できる仕組みが整いました。([turn0search4][turn0search8])

ただし、1970~80年代当初は主に住宅や店舗併用住宅が対象で、事業用建物(工場・倉庫など)については、「時価ベースで補償するのが基本」でした。

1990年代以降に事業用建物も新価契約可能に

1990年代の金融自由化・保険制度改革により、事業用物件も新価による契約が柔軟に選べるようになりました。1996年以降は規制緩和の影響で、従来の業界慣習が見直され、事業用建物にも価格協定特約や新価特約が広く普及しました。([turn0search8])

その後、2000年代には多くの損保会社で事業用建物向けにも同様の特約が標準搭載されるようになりました。

実例で見る変化の流れ

1980年代のA社(倉庫運営)は、旧契約では建物時価による補償だったため、火災発生時の保険金が建築費に到底届かず、実際の再建が困難でした。

一方、2005年に契約更新したB社では、「価格協定特約」を追加していたため、全焼しても再調達価額で補償され、スムーズに建て直しが可能でした。

まとめ

当初は住宅や併用店舗だけが対象だった価格協定・新価特約も、1980年代からの制度改革を経て、現在では事業用建物にも広く対応可能になっています。

つまり「事業用建物でも新価で契約できるようになった」のは、制度改正が進んだ**1990年代以降**が実質的な転機と言えるでしょう。契約時に見直しをすると安心です。

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