アルバイトでも一定の条件を満たすと社会保険(健康保険・厚生年金)に加入することになります。そして、その保険料は月々の給料から自動的に天引きされますが、「収入が下がったら保険料も減るのか?」という疑問を持つ方も多いはず。この記事では、収入変動があった場合の社会保険料の仕組みと、手続きが必要なケースなどについてわかりやすく解説します。
社会保険料は「標準報酬月額」で決まる
実は、社会保険料は毎月の給与額そのもので決まるのではなく、「標準報酬月額(しょうひょうげつがく)」という区分に基づいて決定されます。これは健康保険協会や年金事務所が設定する等級表に従い、毎年1回(原則4〜6月の給与の平均)を元に決定されるのが基本です。
そのため、月給が一時的に変動してもすぐには保険料に反映されません。たとえば月38万円で等級が設定されていれば、来月から30万円になってもすぐには6万円の保険料が下がるわけではありません。
収入が下がったときの「随時改定」とは?
ただし、月給の大きな変動が継続する場合には「随時改定(変更届)」という手続きで標準報酬月額が見直され、保険料が変更される可能性があります。
- 3か月間の平均給与が大きく変動(2等級以上の差)
- その間に固定的賃金(時給、基本給など)の変動があった
- 会社が「被保険者報酬月額変更届」を年金事務所へ提出
これらの条件がそろえば、おおむね4か月目から社会保険料が減額されることになります。
健康保険と厚生年金の保険料の目安
たとえば東京都在住で標準報酬月額が38万円の場合、以下のような保険料が発生します(令和6年度・本人負担分)。
- 健康保険:約19,494円
- 厚生年金保険:約34,980円
- 合計:約54,474円
仮に標準報酬月額が30万円に下がった場合、合計保険料は約43,000円台まで減ることになります。ただし、これは「変更が認められた場合」の話であり、即時反映されるわけではありません。
収入が下がった場合の対処法と確認ポイント
来月以降、実際に収入が下がる予定であれば、以下のポイントを会社側に確認してみましょう。
- 3か月間の給与が継続的に減少する見込みか
- 固定給の変更があるか(時給単価が変わるなど)
- 随時改定の申請を会社が行う予定かどうか
もし随時改定が見込めない場合、当面は保険料の変更はないため、給与が減っても保険料の負担は重く感じるかもしれません。
まとめ:収入減でも保険料はすぐには変わらないが、見直しは可能
アルバイトであっても社会保険に加入していれば、原則は年1回の見直し、または「随時改定」がない限り保険料は変わりません。月給が30万円に減ったとしても、3か月間の平均収入と改定条件を満たすまでは保険料は据え置かれる可能性が高いです。
負担を減らしたい場合は、会社側に随時改定についての対応を確認し、必要なら相談してみることをおすすめします。
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