「会社で社会保険に入っているけど、役所から国民健康保険の請求書が来た」「社会保険を払っていても国民健康保険に加入しないといけないの?」と戸惑う方も少なくありません。本記事では、社会保険と国民健康保険の関係、重複加入のルールやよくある誤解について、具体例を交えてわかりやすく解説します。
社会保険と国民健康保険の違い
まず基本として、日本の医療保険制度は主に以下の2つに分かれます。
- 社会保険(健康保険):会社員や公務員などが対象で、勤務先を通じて加入。
- 国民健康保険:自営業者やフリーランス、無職の人などが対象で、市区町村が運営。
このように加入対象が異なるため、原則として両方に同時加入することはありません。ただし、状況によっては誤って保険料を請求されることもあります。
社会保険に加入していれば国民健康保険は不要
結論として、会社の社会保険(健康保険)に加入していれば、国民健康保険への加入義務はありません。
これは法律上、重複加入が認められていないためです。したがって、社会保険の被保険者である限り、国民健康保険の手続きや支払いは不要です。
こんなケースで重複請求されることがある
実際には、以下のような状況で役所から誤って国民健康保険料の請求が届くことがあります。
- 転職に伴い、前職の退職後すぐに社会保険に加入していない
- 扶養から外れた家族の届け出が遅れた
- 健康保険の資格取得届が未処理で、市区町村が把握できていない
このような場合でも、社会保険の加入証明書や保険証を提示すれば、重複請求は取り消されます。
加入義務が生じるのはどんな時?
社会保険に加入していない場合や、被扶養者の条件を満たしていない家族がいる場合は、国民健康保険への加入が必要になります。具体例として以下のようなケースが該当します。
- 退職して再就職まで期間が空いている
- フリーランス・個人事業主になった
- 収入が増えたことで扶養から外れた
いずれも社会保険から外れた時点で、自ら市区町村に届け出を行う必要があります。
実例:退職後の空白期間に要注意
例えば、2024年12月に会社を退職し、2025年3月に再就職したAさん。再就職までの3か月間は、どこにも社会保険に加入していなかったため、その期間だけ国民健康保険の対象になります。
この場合、役所に届け出ないと未納と判断され、遡って保険料の請求が届くこともあります。転職活動中でも、空白期間がある場合は注意が必要です。
国民健康保険の請求が届いたときの対処法
すでに社会保険に加入しているにもかかわらず、国民健康保険の納付書が届いた場合は、以下の対応を取りましょう。
- ①会社から発行される健康保険証を確認する
- ②保険証コピーを添付し、管轄の市区町村に問い合わせ
- ③必要であれば、資格取得証明書を提出
提出が受理されれば、国民健康保険の加入が取り消され、納付義務もなくなります。
まとめ
社会保険に加入している人は、基本的に国民健康保険に加入する必要はありません。重複加入は法律上認められておらず、誤って納付書が届いた場合は速やかに自治体に問い合わせて確認しましょう。
特に転職・退職・扶養の変更時には、保険の切り替えに関する手続きが重要です。状況に応じて適切な手続きを行い、無駄な保険料負担を避けるようにしましょう。
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