外貨建て保険を解約するときの返戻金は円と外貨どちらで受け取るべき?判断ポイントと注意点を解説

保険

外貨建て(ドル建て)保険を解約する際、受け取る返戻金を「円」で受け取るか「外貨(ドル)」で受け取るかによって、最終的な手取り額や税金面で大きく差が出ることがあります。為替レートや手数料、税金の取り扱いなど、複数の観点から選択肢を比較することが重要です。

外貨建て保険の返戻金を円で受け取る場合

円で受け取る場合、保険会社がその時点の為替レートを使って円に換算し、支払ってくれます。手続きも簡単で、銀行口座に日本円で入金されるため手間がかかりません。

ただし、保険会社が設定している為替レートにはスプレッド(為替手数料)が含まれており、市場レートよりも不利な条件で円換算されることがほとんどです。

たとえば、1ドル150円の市場レートのとき、保険会社のレートが147円であれば、1万ドル受け取っても147万円にしかならず、3万円分の為替差損が生じることになります。

返戻金を外貨(ドル)で受け取る場合

ドルで受け取る場合は、保険会社がドル建てで送金し、それを自身で円に両替するか、ドル建てのまま預金することができます。為替のタイミングを自分で選べるため、有利なレートを狙って円転できる可能性があります。

例えば、現在の為替レートが不利(ドル安)だと感じる場合は、ドルで一旦受け取っておき、円高に戻ったときに換金するという選択肢も取れます。

ただし、ドル預金口座や外貨対応の金融機関を用意しておく必要があり、一定の手間がかかります。また、為替リスクを自分で背負うことになる点にも注意が必要です。

為替差益と税金の関係

外貨で受け取ってあとで円に換金する場合、「為替差益」が発生することがあります。この為替差益は、雑所得として課税対象になる場合があるため、注意が必要です。

たとえば、外貨預金を解約して円転した際に、預入時よりも円安が進行して利益が出た場合、その利益部分に対して所得税や住民税が課される可能性があります。

一方で、保険会社から直接「円」で受け取った場合は、為替差益が発生しないため、税務処理が比較的シンプルです。ただし、この場合でも保険期間や解約返戻金の額に応じて一時所得扱いになることがあります。

返戻金の用途によって選び方が変わる

返戻金を今すぐ生活費や住宅購入などに使う予定があるなら、円での受け取りが合理的です。一方、資産として外貨のまま保有したい、あるいは将来の円安リスクに備えたいという人は、外貨での受け取りを選ぶ余地があります。

例えば、老後に海外移住を計画している場合や、ドル建て資産で投資を継続する場合は、外貨受け取りが自然な選択肢となります。

手数料・スプレッドの比較がカギ

外貨で受け取ってから自身で円転する際には、銀行や証券会社の為替レート(スプレッド)にも注意が必要です。例えば、ネット銀行では1ドルあたりのスプレッドが1円未満であるのに対し、メガバンクでは2〜3円ということもあります。

保険会社の円換算レートよりも、自分で選べる為替レートのほうが有利な場合は、ドルで受け取るメリットが高くなります。複数の金融機関の為替コストを比較しておくと安心です。

まとめ:目的と為替状況を考慮して選ぶのが正解

外貨建て保険の返戻金は、円と外貨それぞれにメリット・デメリットがあります。為替相場の状況、税金、資金の使い道、手数料などを総合的に判断して選びましょう。

すぐに日本円が必要な場合は円受け取り、今後の資産運用を考慮するなら外貨受け取りも有効です。迷った場合は、税理士やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談するのも一つの方法です。

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