個人事業主として活動を始める際に、最初のステップとして提出するのが「開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)」です。では、この開業届を提出した証明が必要になった場合、税務署から正式な証明書は発行してもらえるのでしょうか?本記事ではその仕組みと対応策について詳しく解説します。
開業届提出後に税務署から発行されるもの
基本的に開業届を提出しても、税務署からは「開業を証明する書類」は自動的には発行されません。控え(写し)を希望する場合は、提出時に自分で「控え用紙(開業届のコピー)」を持参し、税務署の収受印を押してもらう必要があります。
控えをもらいたい場合:
・開業届を2部用意(1部は控え用)
・返信用封筒(郵送提出時)を同封
・窓口提出ならその場で収受印を押印して返却されます
開業届の控えが必要になるケースとは?
開業届の控え(写し)は、さまざまな場面で「事業の証明」として役立ちます。以下のようなケースでは、提出を求められることがあります。
- 銀行口座を「屋号付き口座」で開設したいとき
- 小規模企業共済やiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入したいとき
- 住宅ローンなどで収入の証明が必要なとき
- 補助金や助成金の申請時
これらのケースでは、控えがないと手続きが滞ることもあるため、最初の提出時に必ず控えを取得することをおすすめします。
提出後に控えをもらい忘れた場合の対処法
「開業届を1部しか提出してしまった」「控えを受け取らなかった」という場合でも、後から証明が必要になることがあります。その際には以下のような対応策が考えられます。
1. 再度開業届を提出する
新たに開業届を提出し、今度は控えも確保します。この際「再提出」とメモを添えておくと誤解を防げます。
2. 所得税の開業届の提出事実を確認してもらう
税務署で提出済みの事実確認をしてもらえることがありますが、確実な証明にはなりにくいためおすすめしません。
開業freeeなどの会計サービスを活用した証明の代用
近年では、会計ソフト(開業freee・マネーフォワードなど)で開業届をオンライン作成・提出できるサービスがあります。これらのサービスを使えば提出履歴や控えデータが手元に残るため、後から証明が必要になった際にすぐ提出できて便利です。
特に電子申告をした場合、受信通知などが正式な提出証明の代わりとして使用できます。
まとめ:証明が必要なら事前準備が重要
開業届は税務署に提出して終わりではなく、その提出を証明できる控えをきちんと確保しておくことが、後々のトラブルを防ぐために大切です。提出時には必ず控えの用意をし、可能であればデジタルでも管理しておくと安心です。この記事を参考に、しっかり準備を整えて個人事業をスタートさせましょう。
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