大学生活の中で急な出費に直面することは珍しくありません。特に医療系の学部では、教科書代や実習費、スクラブやワクチン費用など、授業に必要な自己負担が重なるケースが多くあります。親からの援助が受けられず、バイト代でも足りない──そんな状況で一時的にお金が必要な学生に向けて、この記事では安全で現実的な借入手段とその注意点を解説します。
学生が使える借入手段は主に4つ
学生が利用できる、比較的安全かつ現実的な選択肢には以下のようなものがあります。
- ① 日本学生支援機構の緊急採用奨学金
- ② 大学独自の緊急貸付制度
- ③ 生協や教育ローン(民間・公的)
- ④ 親族や友人からの一時的な借り入れ
消費者金融やクレジットカードのキャッシング機能に頼る前に、これらの制度を活用するのが安心です。
① 日本学生支援機構「緊急採用」制度を活用する
JASSOでは、突然の出費や家庭事情で困った学生向けに「緊急採用」の奨学金制度を設けています。給付型または貸与型(無利子・有利子)を選べる点が特徴です。
申請は在籍している大学を通じて行うため、学生課や奨学金窓口に早めに相談しましょう。特に無利子の第一種奨学金は、返済負担が少なく済みます。
② 大学の緊急貸付・就学支援制度を確認
多くの大学では、学内独自の「緊急貸付制度」や「就学支援金制度」が整備されています。用途は教科書代・学用品代・実習費などが対象になることが多く、数万円の貸付を無利子・短期返済で行ってくれる場合があります。
具体的な手続きは学生課に確認が必要ですが、早めの相談がカギとなります。
③ 教育ローンや大学生協ローンという選択肢
国が提供する教育ローン(日本政策金融公庫)や、大学生協が提携するローンサービスなども利用可能です。20歳以上なら学生本人が契約できるプランもあり、返済は卒業後に開始できるタイプもあります。
ただし、審査や保証人が必要な場合があるため、申請から利用までには多少時間がかかることを見越しておきましょう。
④ 金銭的に頼れる人がいるなら相談もあり
もし親族や信頼できる知人がいる場合、事情を説明した上で一時的に借りるのも選択肢の一つです。口約束ではなく、返済計画を明確にして借用書を交わすことをおすすめします。
今後の人間関係や信用を大切にするためにも、感情的なやり取りではなく誠実な姿勢で相談しましょう。
避けたほうがよい借入方法
以下のような手段は、リスクや返済負担が大きいため避けた方が賢明です。
- クレジットカードのキャッシング機能(高金利)
- 消費者金融・カードローン(返済遅延で信用情報に影響)
- 個人間融資やSNSでの「即金」募集(詐欺被害のリスク)
一時的に5万円を調達することが目的でも、誤った方法を選ぶと長期的な負担になることがあります。
まとめ:まずは公的支援を活用し、早めの相談を
教科書代などで一時的にお金が必要になった場合でも、学生には安全な支援制度が複数用意されています。まずは大学やJASSOの奨学金制度を確認し、次に親族・知人への相談、どうしても難しい場合は生協ローンなどの制度を検討しましょう。
「借りる」=「悪いこと」ではなく、「正しく借りて計画的に返す」ことが大切です。焦らず、信頼できる窓口に相談してください。
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