リボ払い(リボルビング払い)は、毎月の支払い額が一定になる仕組みのため、一見すると家計管理しやすい魅力的な支払い方法に思えます。しかし、ネットやメディアでは“危険”とされることも多く、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。ここでは、その理由と仕組みを丁寧に解説し、正しい理解で安心して判断できるようにします。
リボ払いと分割払いは何が違う?
分割払いは、購入時に「支払回数(期間)」を決めて、元金を均等に割って返済していく方式です。一方、リボ払いは“利用残高に対して月々定額で返済”していく形式で、いつ終わるかが見えにくくなります。
たとえば、10万円の買い物を3回分割払いにすると、約3.3万円ずつ支払う設計が見えています。しかし、リボ払いでは「月5,000円」のような最低支払い額に設定できてしまうため、支払期間が長期化しやすいのです。
「ほぼ利息しか払えない状態」になる理由
リボ払いが“怖い”と言われる最大の理由は、返済の初期段階で支払いの大部分が利息に充てられ、元本がなかなか減らないことです。これにより、借入残高が長く残り続けてしまいます。
たとえば、年利15%で10万円の残高を月5,000円ずつ返済する場合、初月の利息は約1,250円。実際に元本から差し引かれるのは3,750円しかなく、借金が思った以上に減りません。
「自分のせい」という思考が落とし穴になることも
「少額返済にしているのは自分の判断だから、問題は自己責任」という考えも正論ではありますが、そもそもその仕組みを深く理解せずに設定してしまう人が多いのも事実です。
また、返済しても使えばまた限度額が復活する「借金の無限ループ」構造も、心理的に危険です。気づかぬうちに残高が増え、延々と支払い続けているケースが少なくありません。
分割払いとの違いは“仕組みの透明性”
分割払いは「完済までの金額と期間」が明確ですが、リボ払いは月々の支払額を変えない限り、“完済までの見通し”がわかりにくくなっています。
さらに、分割払いでは手数料が購入時に一括で計算されますが、リボ払いでは毎月の残高に対して利息が発生するため、総返済額が想定以上になることも珍しくありません。
リボ払いを使う前に確認すべきポイント
- 毎月の支払額が少ないほど、完済までの年数が長くなり利息が増える
- 使えば使うほど借金残高が積み上がる(限度額が復活するため)
- 「繰り上げ返済」や「増額返済」ができるか事前に確認
- 「自動リボ」設定になっていないかカード明細をチェック
これらを意識するだけでも、リボ払いの“怖さ”は大きく軽減できます。
まとめ:リボ払いは“仕組みを理解して使うなら選択肢の一つ”
① リボ払いは返済期間が不透明で、結果的に高額の利息が発生しやすい
② 「月々少額だから大丈夫」と思い込み、借金総額が膨らむケースが多い
③ 分割払いとの最大の違いは「支払い終了の見通しがあるかどうか」
④ 利用する場合は繰り上げ返済や毎月の支払額増額で、元本を早めに減らすのが鍵
リボ払いが“危険”なのは、「使っている人がその仕組みを把握していないこと」によるものが大半です。正しく理解し、自分に合った支払い計画を立てることで、選択肢の一つとして活用することも可能です。
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