退職前後の医療費は変わる?社会保険と国民健康保険の違いと病院受診のタイミング

国民健康保険

退職を控えたタイミングで「病院に行くなら社会保険があるうちが良いのか、それとも国保に切り替えてからでも変わらないのか」と悩む方は少なくありません。実際、社会保険から国民健康保険(国保)に切り替わる時期によって、受診時の費用負担や手続きの煩雑さに違いが出ることがあります。本記事では、社会保険と国保それぞれの特徴や、退職前後の受診で気をつけたいポイントを解説します。

社会保険と国民健康保険の基本的な違い

社会保険(健康保険)は、会社に勤務している間に加入している制度で、会社と本人が保険料を折半して支払っています。一方、国民健康保険は自営業や無職の方、退職後に加入する公的医療保険で、保険料は全額自己負担です。

医療費の自己負担割合はどちらも原則3割ですが、保険証の発行元が異なり、支払い方法や還付の制度に違いが出ることもあります。

退職日以降の受診に注意!保険証が無効になるリスク

社会保険は退職日の翌日から無効になります。そのため、退職日当日までに病院を受診すれば、社会保険の保険証を使えますが、退職翌日以降は使えません。退職後すぐに国保に加入しない場合、無保険状態で医療費を全額自己負担するリスクもあるため、注意が必要です。

例:4月30日付で退職した場合、5月1日からは社会保険証が無効になります。5月1日以降に病院を受診した場合、国保の手続きが完了していなければ全額自己負担になる可能性があります。

医療費の自己負担額は本当に同じ?

基本的には社会保険も国保も、医療費の自己負担割合は3割です。ただし、自治体によっては国保加入者向けに高額療養費の還付や、減額措置などの違いが出る場合があります。

さらに、会社員が加入していた社会保険には「付加給付」と呼ばれる独自の補助制度があることが多く、実質の自己負担額が少なくなるケースもあります。つまり、単純に3割負担だから同じとは言えず、細かい給付内容に差があるのが実情です。

病院の受診タイミングと保険の切替え戦略

できるだけ自己負担を減らしたいのであれば、退職前に社会保険を利用して受診するのが望ましいです。特に検査や処置、通院が複数回にわたるような場合、付加給付のある社会保険の方が結果的に経済的メリットがあります。

ただし、退職日以降にすぐに病院へ行く必要がある場合は、国保の手続きをすぐに済ませることが大切です。手続きが間に合わない場合でも、後日申請することで自己負担分の7割を還付してもらえる「療養費支給制度」が使えることがあります。

任意継続という選択肢もある

退職後も社会保険をそのまま最長2年間継続できる「任意継続制度」を利用すれば、社会保険のメリットを受けられます。ただし、保険料は全額自己負担になるため、国保との比較が重要です。

保険料の試算は、退職前に健康保険組合や市区町村役所で確認しましょう。保険料や扶養家族の有無により、任意継続のほうが有利になる場合もあります。

まとめ:医療費負担の違いと賢い受診タイミング

社会保険と国民健康保険では、基本的な自己負担割合は同じでも、実質的な負担額や保障内容に違いがあります。特に退職直後は無保険にならないよう注意し、保険証の有効期間を意識して病院を受診することが大切です。

今後の医療費を抑えるためにも、任意継続や高額療養費制度、付加給付の内容なども事前に確認し、自分に合った制度を活用しましょう。

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