年末調整や確定申告の際、「扶養人数」のカウントは税額を左右する大切なポイントです。特に家族に障害者がいる場合や、18歳・20歳といった年齢の違いがある場合は、税制上の扱いが変わるため注意が必要です。本記事では、所得税の扶養人数の数え方について、具体的なケースを交えてわかりやすく解説します。
所得税における扶養控除の基本ルール
扶養控除の対象となる扶養親族は、生計を一にしている16歳以上の親族で、年間所得が48万円以下(給与収入のみなら103万円以下)の人です。
控除額は扶養親族の年齢や属性によって異なります。例えば、一般の扶養親族は38万円、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)は63万円の控除が適用されます。また、障害者に該当する場合は、さらに27万円~40万円の障害者控除が加算されます。
配偶者は扶養人数に含まれるのか
配偶者は扶養親族ではありませんが、「配偶者控除」や「配偶者特別控除」の対象になります。所得税上の「扶養人数」としてカウントされるのは扶養親族のみのため、妻は扶養人数には入りませんが、税控除は別枠で受けられます。
たとえば、奥様が障害者であれば、「障害者控除」も適用されるため、所得税軽減につながります。
障害者の扶養控除の特例
障害者を扶養している場合、通常の扶養控除とは別に障害者控除が受けられます。具体的には以下の通りです。
- 一般障害者:27万円
- 特別障害者:40万円
- 同居特別障害者:75万円
この控除は、障害者手帳の交付を受けているかどうかで判定されます。[参照:国税庁|障害者控除]
具体例で見る扶養人数のカウント
たとえば以下のような家族構成の場合を見てみましょう。
- 本人(夫)
- 妻(一般障害者)
- 子(20歳・一般障害者)
- 子(18歳・健常者)
このケースでは。
- 妻:扶養親族ではないが、配偶者控除および障害者控除の対象
- 子①(20歳・一般障害者):扶養親族としてカウント+障害者控除対象
- 子②(18歳・健常者):扶養親族としてカウント
つまり、扶養人数は「2人」となります。
この扶養人数は、源泉徴収票や年末調整で使用される「扶養親族の人数」に該当します。
扶養人数は税額や保険料にも影響する
扶養人数は、単に控除額に影響するだけでなく、住民税や国民健康保険料の軽減にも関係します。特に所得の少ない世帯では、扶養人数が多いことで社会保険料の軽減が受けられる可能性が高まります。
また、所得税の源泉徴収時の税率にも影響するため、正確なカウントが必要です。
まとめ:障害者や年齢を考慮した正しい扶養人数の確認を
所得税における扶養人数のカウントは、「生計を一にし、所得が一定額以下の16歳以上の親族」が基本です。配偶者は扶養人数には含まれませんが、配偶者控除や障害者控除の対象となる点を押さえましょう。
障害者がいる場合や子どもの年齢が扶養控除の境界にあるときは、国税庁の公式ガイドや税理士への相談も検討してみてください。
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