「保険料の決定通知が届いたけど、去年より何倍にも跳ね上がっている…」そんな経験をされた方は少なくありません。特に、職業訓練中や無職期間中は収入が少ないため、高額な国民健康保険料の請求は大きな負担となります。この記事では、収入がない・少ない状態でも利用できる保険料の減免・免除制度と、その手続き方法について解説します。
なぜ保険料がこんなに高くなったのか?
国民健康保険料は、原則として「前年の所得」に基づいて計算されます。つまり、現在の収入がゼロでも、前年に一定の収入があった場合には高額な保険料が請求されることがあります。
たとえば、昨年まで働いていて退職後に無職になった場合、今年の保険料はまだ「収入があった時点」のデータで計算されるため、現在の生活状況とは大きく乖離した請求になるのです。
収入がない人のための「減免制度」がある
国民健康保険では、収入が急激に減少した場合や失業・退職をした場合に、保険料を一部もしくは全額減免してもらえる制度があります。各自治体で内容は多少異なりますが、以下のようなケースは多くの市区町村で対象とされています。
- 退職・失業して現在無職である
- 職業訓練や求職活動中
- 収入が前年と比べて著しく減少した
減免申請のタイミングが遅れると、すでに請求された分の一部しか対象にならない場合もあるため、通知が届いた段階で早めに相談するのがポイントです。
具体的な手続きの流れと必要書類
申請先は、お住まいの市区町村の国民健康保険課(または保険年金課)になります。以下は一般的な手続きの流れです。
- 市区町村役所の窓口または電話で「減免制度の相談がしたい」と伝える
- 担当者から制度説明を受け、該当しそうな減免申請書を受け取る
- 必要書類(本人確認書類、前職の退職証明書、職業訓練受講証明など)を添えて提出
- 審査後、減免が決定すれば通知が届く
職業訓練中で収入がない場合でも、公共職業訓練の「受講証明書」などが提出書類になることが多いです。
親の扶養に入る選択肢も検討していい
「親の扶養に入るのは申し訳ない」と感じる方もいますが、扶養は法律上の制度であり、家庭内で協力し合う手段のひとつです。
親が会社員であれば、健康保険の被扶養者になることで保険料を自分で払わずに済む可能性があります。条件としては、年収が130万円未満(または60歳以上の親なら180万円未満)で同居などの生活維持関係があることです。職業訓練中の無収入の方は該当する可能性が高いため、検討の余地は十分あります。
減免を申請しても払えないときは?分割納付も可能
減免後の金額であっても支払いが厳しい場合、市区町村に相談すれば「分割納付」も対応してもらえることがあります。
未納のままにしておくと、保険証が「短期証」「資格証明書」に切り替わるなどの不利益がありますが、納付相談をすれば差し押さえなどの強制措置は回避しやすくなります。
まとめ:保険料が払えないときは我慢せず早めの相談を
保険料の急激な増額は、前年の所得が反映されたことによるケースがほとんどです。しかし、現在の収入状況をもとにした減免制度が用意されているため、「払えない」状況を一人で抱え込まず、自治体の窓口に早めに相談することが何より大切です。
「申し訳ない」よりも「健康を守る権利」が大切。制度をうまく活用して、安心して職業訓練と就職準備に集中できる環境を整えましょう。
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