国民年金は将来本当に受け取れるのか?20代から考える年金制度の仕組みと戦略

年金

年金制度に対して不安を感じる若い世代は少なくありません。「払った分が将来戻ってくるのか?」「破綻するのでは?」といった疑問は、将来設計において避けては通れないテーマです。本記事では、20代の方が知っておきたい国民年金の基本、受け取れる可能性、そして対策方法について解説します。

国民年金制度の基本と仕組み

日本の年金制度は「賦課方式」で運営されています。これは、現役世代が納めた保険料をそのまま今の高齢者への年金給付に充てる仕組みです。つまり、自分が払った分がそのまま貯蓄されているわけではありません。

そのため、少子高齢化が進む現代においては、現役世代が将来受け取れる金額への懸念が生じています。とはいえ、厚生労働省や年金機構では「マクロ経済スライド」という調整制度を導入し、制度の持続可能性を確保しようとしています。

40年後に年金は受け取れるのか?

将来、国民年金を受け取れるかという問いに対して、「ゼロにはならないが、満足のいく額かは不透明」というのが現実的な答えです。

財政検証によると、現行の制度が維持された場合、将来的にも基礎年金は支給され続けるとされていますが、金額は実質的に目減りしていく見込みです。たとえば、現在の20代が老後に受け取る基礎年金は、現在の高齢者よりも1〜2割ほど減額される可能性があります。

払った分は戻ってくるのか?損益分岐点の考え方

国民年金の保険料は令和6年度時点で月額17,000円前後です。これを40年間納めた場合、累計はおよそ820万円ほどとなります。一方で、老齢基礎年金として65歳から受給を始めた場合、現行制度では年間約80万円(月額約66,000円)が支給されます。

簡単に試算すると、約10〜11年で元が取れる計算になります。75歳以降も長生きすれば、支給額が払い込み額を上回る「お得」な制度とも言えます。ただし、今後の制度改正や物価変動による調整も考慮すべきです。

老後不安への備えとしての自衛策

年金制度の将来に100%の安心はありません。だからこそ、自助努力が求められています。代表的なものに以下のような制度や投資があります。

  • iDeCo(個人型確定拠出年金):掛金が全額所得控除になるため、節税効果が大きく、老後資金を自力で準備できます。
  • つみたてNISA:年間40万円までの投資が非課税。長期運用を前提にした老後資金形成が可能。
  • 企業型DC(確定拠出年金):企業に勤めている場合はこれを活用することで、会社の拠出と併せて積立ができます。

早くからコツコツと積み立てることで、年金だけに頼らない人生設計が可能になります。

制度がなくなる可能性はあるのか?

一部で「年金制度が破綻する」といった意見も見受けられますが、実際には制度そのものがなくなることは考えにくいです。なぜなら、日本政府にとって年金は重要な社会保障制度であり、見直しや調整はされるものの、廃止という選択は現実的ではありません。

ただし、受給開始年齢の引き上げや給付額の調整、所得による差別化など、制度変更の可能性は常に存在します。今後も最新の政策動向を注視し、柔軟に備えることが大切です。

まとめ:年金制度を理解し、若いうちから準備を

国民年金は将来的に受け取れないわけではありませんが、「将来満足のいく金額が受け取れるか」は不透明です。現役世代としては制度を正しく理解し、iDeCoやNISAなどを活用して早期に老後資金を準備することが現実的な対策になります。

悲観するだけでなく、制度を活かしつつ備えることが、後悔しない人生設計につながります。

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