傷病手当と失業保険の併用について｜退職後の手続きと注意点

体調を崩して傷病手当を申請し、その後退職した場合、失業保険の申請ができるかどうかは、多くの人が気になるポイントです。傷病手当金と失業保険はそれぞれ別の支援制度であり、両者をうまく活用するためには、それぞれの制度の要件や申請のタイミングについて理解しておくことが重要です。

この記事では、傷病手当金と失業保険について、申請の流れや併用の可否について詳しく解説します。

1. 傷病手当金とは？

傷病手当金は、病気や怪我によって仕事を休む必要がある場合に、一定期間給付される手当です。通常、健康保険に加入している人が対象となり、最長で1年6ヶ月間支給されます。支給額は、標準報酬日額の約3分の2となります。

傷病手当金を受け取るためには、病気や怪我で仕事を休むことが必要であり、その理由が「業務外」であることが基本です。医師の診断書が必要な場合もあります。

失業保険（雇用保険）は、自己都合や会社都合で退職した場合に支給される手当です。給付期間や支給額は、退職理由や加入期間などによって異なります。基本的には、仕事を探している状態であれば、失業保険を受けることができます。

失業保険を受けるためには、雇用保険に一定期間以上加入していることが必要です。また、失業中であり、就職活動をしていることが前提となります。

傷病手当金を受け取っている期間に退職した場合、失業保険を受け取るためには、まず傷病手当金の支給を終了させる必要があります。というのも、傷病手当金は「労働不能状態」にあることが前提となるため、退職後に失業保険を受けるためには、労働可能な状態であることを証明する必要があります。

したがって、傷病手当金を受け取っている状態で退職した場合、失業保険の申請はできません。ただし、傷病手当金の支給期間が終了し、労働可能と認められる状態になれば、その後に失業保険の申請が可能となります。

失業保険を申請するタイミングは、退職後の状態によって異なります。もし退職前に傷病手当金を受けていた場合、その手当が終了した後に失業保険の申請が可能です。

申請を行う際には、傷病手当金の受給期間と失業保険の申請タイミングが重ならないように調整することが重要です。また、失業保険を受け取るには、就職活動をしている必要があるため、その点も留意しておきましょう。

傷病手当金と失業保険は、どちらも別々の支援制度ですが、退職後に失業保険を申請することは可能です。ただし、傷病手当金の受給と失業保険の申請は重複することができないため、傷病手当金の支給が終了した後に失業保険を申請する必要があります。

退職後の手続きをスムーズに進めるためには、傷病手当金の受給状況を確認し、失業保険の申請タイミングをしっかりと計画しましょう。必要に応じて、ハローワークや健康保険組合に相談し、確実に手続きを行うことが大切です。