転職時に確定給付企業年金(DB)をどうするかは、多くの人が悩むポイントです。選択肢としては、脱退一時金として受け取る、企業年金連合会へ移換する、転職先の企業年金へ移換する、個人型確定拠出年金(iDeCo)へ移換するなどがあります。本記事では、それぞれの選択肢のメリット・デメリットを詳しく解説します。
確定給付企業年金(DB)の選択肢
企業年金をどのように扱うかは、退職後の資産形成に大きく影響します。まずは主な選択肢を整理しましょう。
選択肢 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
① 脱退一時金として受け取る | 年金資産を一括で受け取る | 自由に運用・使える | 税金がかかる可能性がある |
② 企業年金連合会へ移換 | 国の企業年金管理機関に移換 | 将来の年金受給として安定 | 運用の自由度が低い |
③ 転職先の企業年金へ移換 | 転職先の企業年金制度に移換 | 一貫した年金運用が可能 | 転職先の制度に依存 |
④ 個人型確定拠出年金(iDeCo)へ移換 | 自分で年金資産を運用 | 節税効果が高い | 自己責任で運用する必要あり |
① 脱退一時金として受け取る
企業年金を一括で受け取る方法です。受け取った資金を新NISAやiDeCoで運用することも可能ですが、一時所得として課税対象になる場合があるため注意が必要です。
メリット
- すぐに使える資金として受け取れる
- 運用の自由度が高い(NISAやiDeCoに活用可能)
デメリット
- 退職所得控除の適用外で課税対象になる可能性がある
- 長期的な資産運用の仕組みがなくなる
② 企業年金連合会へ移換
企業年金連合会は、転職先に企業年金がない人向けの制度です。将来、年金として受け取ることができますが、運用の自由度は低くなります。
メリット
- 年金として安定した形で受け取れる
- 税制優遇を受けながら資産形成ができる
デメリット
- 運用の自由度がなく、リターンが限られる
- 将来受け取るまで引き出せない
③ 転職先の企業年金へ移換
転職先の企業に年金制度がある場合、現在の企業年金を移換することができます。ただし、転職先の企業が移換を受け入れているか確認が必要です。
メリット
- 一貫した年金運用が可能
- 転職先の福利厚生制度を活用できる
デメリット
- 転職先の企業が移換を受け入れない可能性がある
- 制度変更があった場合、再び移換の手続きが必要
④ 個人型確定拠出年金(iDeCo)へ移換
iDeCoは個人で運用する年金制度です。DBの移換先としては基本的に認められていませんが、脱退一時金として受け取り、その資金を使って新規加入することは可能です。
メリット
- 運用益が非課税で、節税効果が高い
- 自分で運用方針を決められる
デメリット
- 原則60歳まで引き出せない
- 運用リスクを自分で負う必要がある
どの選択肢を選ぶべきか?
どの選択肢が最適かは、将来のライフプランや資産運用の方針によって異なります。
- すぐに使いたい資金がある → 脱退一時金
- 安定した年金を確保したい → 企業年金連合会へ移換
- 転職先の制度が良ければ → 転職先の企業年金へ移換
- 積極的に運用したい → iDeCoや新NISAで運用
まとめ
確定給付企業年金の扱い方には、さまざまな選択肢があります。短期的な資金確保を重視するなら脱退一時金、老後資産の確保を優先するなら移換を検討しましょう。転職先の企業年金制度も確認しながら、最適な方法を選んでください。
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